今日は公正証書遺言について書いていきます。
まず「公正証書遺言」ます。の作成方法です。最終的には公正証書遺言は「公証役場」で作成することになりそこに向かっての手順ということになります。もちろん行政書士を介せずご自分おひとりで原案を作成することもできます。その場合でも最終的には公証人が関与しますので、法的効果が欠如することはありませんし、内容的な不備も排除されます。保管の問題もクリアされます。
しかし公証人自体は書かれている内容自体に関与するものではありませんので、例えば「財産のすべてを愛人に与える」などという作成できないもの(この場合は公序良俗に反する)以外は作成されます。
また公証人によっては遺留分を考慮しない遺言、例えば長男に財産の3分の2をあげて次男には3分の1、長女には相続しないという内容の遺言書でも作成されてしまう場合があります。ですのでここでも作成にあたっては、行政書士に相談されて作成されることをお勧めします。
今回の記事においては、行政書士に依頼された場合の段取りにしたがって作成方法を書いていきます。
まず相談者様から作成代行の依頼があった場合は、遺言者様から契約書をいただくくとともに、署名捺印の委任状をいただきます。印は実印で捺印していただきます。また併せて印鑑登録証明書もいただきます。
公正証書遺言を作成するためには、相続人を調査し、相続財産を調査します。相続人については大方の場合は配偶者と子供などの知れている相続人になりますが、より確実な遺言書とするために、遺言者の出生から現在までの戸籍謄本および、推定相続人の戸籍謄本を取得して「相続関係説明図」を作成します。
なお公証役場には遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本があれば問題ありませんので、「相続関係説明図」を作成しない場合は、最低限これがあれば足ります。戸籍謄本は行政書士が「職務上請求書」というものを使用して、役所より取得します。
次は「財産目録」を作成します。遺言者から不動産や預貯金、証券類などの財産を申告してもらい作成します。遺留分の計算等でこの時点の財産額を知る必要がありますので、不動産の財産額について確認します。
この時点で「不動産の全部事項証明書」と念のために公図等も取得しておきます。併せて価格は路線価等で再確認します。預貯金については直近の通帳をコピーし、証券類は証書等を確認します。動産類は自動車の車検証の写や貴金属等の鑑定書なども用意します。
この際に忘れてならないのは、負債についてもきちんと確認することです。プラスの財産は遺言書とおりに相続されますが、負債については法定相続分とおりに相続されます。仮にプラスの財産よりマイナスの財産の方が多かった場合は相続放棄になりかねませんので、注意が必要です。以上から「財産目録」を作成します。
これらをもとに遺言書の文案を決めていきます。まず相続人を決め、遺贈等を決めます。それから各相続人の相続分を決めていきます。相続財産の配分については当然遺言者の判断になりますが、遺留分等についても配慮した方がトラブルは回避することができます。
不動産については明確に記載しますが、預貯金については特定の額を記載せず3分の1づつでも良いですし、1000万円を長男に、残りを次男に等の表現でも構いません。財産目録に記載されない細々とした動産等もありますので、遺言者所有のその他すべての財産を長男○○に相続させるの条項も記載します。
あとは墓や仏壇を管理していく「祭祀主催者」や「遺言執行者」等を記載していきます。祭祀主催者の条項を加えた場合は、公証人より別途手数料が加算されますので注意してください。
最後に「付言」を記します。文案が作成できたら依頼者と確認を取り、加筆修正の後文案を合意します。それから行政書士が公証人と文案の打ち合わせを行い、必要書類を提出します。公証人から文案と費用が提出されるので、依頼者と最終確認を行ないます。
合意ができたら公証役場へ出向く日を決め、当日は行政書士と遺言者本人、もうひとりの証人とともに公正証書遺言を作成します。当日は次の段取りで公正証書遺言が作成されていきます。
①公証人が遺言者本人と証人2名(当職ともう1名の証人)の氏名・生年月日・住所・職業を質問し、遺言者と証人が本人確認ができる書類を提示します。
②公証人が遺言者に遺言の内容を確認します。
③公証人が遺言者と証人に、遺言書を配布し口述します。
④遺言者と証人が遺言書の内容を確認し、公正証書遺言に各自が署名捺印をします。この際は遺言者は実印を用意します。証人は認印でも構いません。
⑤公証人が署名捺印をします。
以上で公正証書遺言の完成です。
⑥遺言者が公証役場に手数料を現金で支払います。
⑦公正証書遺言の原本は公証役場に保管され、遺言執行者に「正本」が、遺言者に「謄本」が渡されます。
「正本」「謄本」の保管には注意が必要ですが、銀行の貸金庫に預けてしまうと開けるには相続人全員の署名捺印が必要になりますので、注意が必要です。
公正証書遺言であってもいつでも撤回をすることができます。
最後に作成する際の言語ですが、自筆証書遺言や秘密証書遺言は作成する言語は外国語でも構いませんが、公正証書遺言は日本語で作成しなければなりません。
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今日は相続における法定相続人について書いてみます。
「法定相続人」とは被相続人(亡くなられた方)の有した財産上の権利義務を承継すべき、法的資格をもつ者をいいます。法とは民法のことで、民法に規定される、被相続人の財産を受け継ぐ法的権利をもつ者ということになります。法定相続人以外の者は、そもそも相続を受けることはありません。
しかし実際に法定相続人の全員が相続を受けるわけではなく、その中で生存している順位の優先する者が相続を受けるということに注意してください。これは後で出てきます。
具体的な法定相続人は、被相続人の「配偶者」と被相続人の「こども」、それから被相続人の「直系尊属」と被相続人の「兄弟姉妹」(法律用語では"けいていしまい"と読みます)のみとなります。これ以外の者は相続人にはなれません。
遺言書などで財産を受け継ぐことを指定された者でも、法定相続人に当たらない場合は、相続ではなく贈与(遺贈)となり、相続人ではなく「受遺者」と呼ばれます。
なお民法において通常胎児には権利能力はありませんが(出生時にはじめて取得されます)、相続については「すでに生まれたものとみなす」という例外規定(相続の他には遺贈と、不法行為による損害賠償請求もこれに当たります)があり、法定相続人となります。死んで生まれた場合はこの限りではありません。
では相続が発生した場合は、これらがみんな相続人となるのでしょうか。法定相続人にはきちんと相続人となる優先順位が決められています。配偶者や子及び直系尊属と兄弟姉妹に順位付けがあるということです。では具体的に見てみましょう。
実は配偶者には順位がありません。なぜなら生存していれば必ず相続人となるからです。ただしこれは戸籍上の配偶者である必要があり、いわゆる内縁の妻は相続人になれません。
では配偶者を除いての第一順位は誰になるのでしょうか。
第一順位は被相続人の子となります。子については嫡出子(法律上婚姻している夫婦の間に生まれた子)は当然相続人となりますが、養子や認知された非嫡出子も法定相続人になります。一方配偶者が再婚された方であって、その方のいわゆる連れ子の場合は、社会的には子と呼ばれる関係であっても法律上の子でない場合(被相続人と養子縁組していない場合)は相続人となりません。将来の相続を予定する場合には、あらかじめ養子縁組を行っておく必要があります。
では第二順位は誰がなるのでしょうか。第二順位は、子がいない場合に被相続人の直系尊属である父母がなります。次の第三順位は、子も直系尊属もいない場合に限り被相続人の兄弟姉妹がなります。上位の相続人がいる場合は下位の者は相続人になれません。
配偶者と最上位の順位の者を称して、「推定相続人」といいます。これは将来相続が開始した場合に相続人となるはずの者のことです。実際の相続では相続を終えた段階になって別の推定相続人が現れることがあります。それは例えば前妻の子であったり、被相続人が認知していた非嫡出子であったりします。複雑な関係がある場合には必ず相続関係図を作成するようにしましょう。
ではこの順位の移動はどのように行われるのでしょうか。単純に第一順位の子が全員亡くなっていた場合は、第二順位の直系尊属に権利が移動するのでしょうか。いえいえそんなことはありません。子が相続の時点で亡くなっていた場合や欠格や排除となっていた場合は、その子の子(被相続人の孫)が権利を引き継ぎます。そのことを「代襲」といいます。
さらにその子の子も相続の時点で亡くなっていた場合等は、その子の子の子(被相続人のひ孫)が権利を引き継ぎますこれを「再代襲」といいます。さらに。。再々代襲以降も民法では認められていますが、実際はあまりないようです。
具体的な例を上げると、被相続人に配偶者がなく(死亡や離婚)長男と次男、長女の3人の子があったとします。相続の時点で長男が亡くなっておりその長男に2人の子がいた場合には、長男の相続分を長男の2人の子(被相続人の孫)が相続します。2人の相続分は長男の相続分を等分します。相続財産全体からの割合分は、長男の子2人がそれぞれ6分の1、次男が3分の1、長女が3分の1になります。代襲者は被代襲者(相続人であるはずだった者)の相続分を人数で均等割します。
第一順位に代襲者もいなかった場合にはじめて第二順位が相続の権利を得ますが、同様に被相続人の父母が両方共亡くなっている場合には、被相続人の祖父母が相続人となります。その上も同様です。
第二順位が誰もない場合にはじめて、兄弟姉妹が相続の権利を得ることになります。兄弟姉妹にも同様に代襲制度がありますが、再代襲は認められていません。1980年の民法改正によって廃止となりました。
最後に文中で出た欠格と廃除について触れます。
「欠格」とは、遺言書を故意に改ざん破棄した場合等の5つの不法行為が行われた場合に、その者については法律上当然に相続資格を失うというものです。具体的には次の5つになります。
①故意に被相続人、先順位・同順位の相続人を死亡するに至らせ、または至らせようとしたために刑に処せられた者
②被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、または告訴しなかった者
③詐欺・強迫により、被相続人が相続に関する遺言を作成・撤回・取消し・変更することを妨げた者
④詐欺・強迫により、被相続人に相続に関する遺言を作成・撤回・取消し・変更させた者
⑤相続に関する被相続人の遺言書について偽造・変造・破棄・隠匿した者
です。
では「廃除」とはどういうものでしょうか。廃除とは、欠格までではないですが、推定相続人が被相続人に対して虐待や著しい非行などを行うなどによって被相続人がその者に相続させたくないと考える時に、「相続人の排除」を行います。
欠格は法律上当然に資格を失いますが廃除の場合は手続きが必要です。被相続人が家庭裁判所に相続人の廃除を請求することによって廃除となりますが、遺言によっても相続人の廃除および取り消しをすることができます。また廃除はいつでも家庭裁判所への請求によって取り消しができます。
実際の審判については、相続権を失うものになりますのでかなり要件は厳しく、被相続人の一時の感情で廃除を行えるものではないようです。成立件数も少ないものになります。
なお欠格やと廃除となっても、その子らへの代襲や再代襲は認められます。
http://yuigon-souzoku-gunma.com/category13/entry45.html
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今日は遺贈と死因贈与について書いていきます。
相続は相続人にしかすることができません。そもそも相続とは、被相続人が亡くなった場合に、法律で決まっている者に財産を承継させる制度です。相続人は配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹のみと民法で決まっており、これらが決められた順位で相続できるのみです。
もしこれらの者が一人もいない場合は、相続財産を管理する者として家庭裁判所から弁護士等が選任されることとなります。そこで本当に相続人がいないかの調査がなされ、それでも見つからない場合には家庭裁判所に認められた場合に限り、被相続人の世話を相当程度した者が一部の財産を譲受けることができます。それらが完了すると、最終的には財産はすべて国庫に帰属することとなります。
さて、相続人がいるいないにかかわらず、あなたがとても世話になった方がいるとします。その方の恩に報いるにはどうしたらよいでしょうか。ここからの話は相続人についてもすることができますが、相続人の場合は「寄与分」ということで、相続人間の協議において相続分の上乗せをすることができますので、ここでは除いて話を進めます。
あなたがもし遺言書を残さないで亡くなった場合には、相続人全員で相続財産の分配についての協議を行うことになります。この場合は参加できる相続人は当然法律によって定められた者のみ(あとで述べる包括受贈者を除いて)となりますので、たとえあなたがとてもお世話になり、心情的に財産を分け与えたい方でもそこには加わることはできません。
たとえば同居しているお子さんのお嫁さんなどがこれに当たります。ですのでもし相続以外で財産をあげたい場合は、あなたのその意思を明確に残す必要があります。当然法的効果のあるものでないと、他の相続人から否定された場合には、その者も権利を主張することができなくなってしまいます。ここで効果を発揮するものが一般的には遺言書ということになります。
遺言書によって相続人以外の者(相続人にもすることができますが)に財産を与える場合には、「遺贈」という形をとります。これはあなたがその方に対してする、一方的な単独行為になります。自分が死んだらその者に財産をあげるという内容になります。一方的な行為ですので、遺贈する者に事前に伝える必要はありません。
遺贈とは別にもうひとつ、相続によらずに死亡を契機として財産を与える行為に、「死因贈与」があります。これは財産をあげる者とあらかじめ契約を交わしておき、自分が死んだらあげるというものです。契約といってもこれには特に方式はなく、契約書等も必要ありません。口約束だけでも効果を発揮します。しかし、証拠がない場合はトラブルのもとになる場合もあります。もし死因贈与をする場合には、文書等に記しておくことも考えたほうが良さそうです。
死因贈与は遺贈と異なり、あなたの亡くなる前から相手の方もその内容を承知していることになります。ここで別に遺言書が残されており、そこに書かれていた内容がその死因贈与契約と異なっていた場合はどうなるのでしょうか。
この場合は遺言書の効果と同様に、後からされたものが有効となります。遺言書の書かれた日付が後であれば、遺言書によって前の死因贈与契約が破棄されたこととなりますので、死因贈与契約は無効となります。逆も然りです。このように日付等の証拠の裏付けが必要になる場合もありますので、本当に必要な死因贈与の場合は、口頭ではなく文書で日付等を明記しましょう。この2つについて次回詳しくみていきます。
https://www.yuigon-souzoku-gunma.com/category2/entry65.html
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今日は法定相続人の相続分について書きます。
相続分とは法定相続人の法定された取り分、請求できる権利のことです。順位は法定相続人の記事で書いた通りで、配偶者と最上位権者が相続します。では順にそれぞれの相続分を見てみましょう。
配偶者は必ず法定相続人となりますが、共同相続人が第何位の者かによって相続分が異なります。
まず法定相続人が第1順位である配偶者と子の場合は、配偶者が全相続分の2分の1を相続し、子が2分の1を相続します。子が複数いる場合は、その人数で2分の1を等分します。その子に代襲者がいる場合は、その子の相続分を代襲者が等分します。配偶者のみの場合は配偶者がすべてを相続し、子のみの場合は子がすべてを相続します。
では共同相続人が第2順位である配偶者と直系尊属の場合はどうでしょうか。この場合は配偶者が全相続分の3分の2を相続し、直系尊属が3分の1を相続します。両親が相続人の場合は等分します。代襲者も子の場合と同様です。配偶者も子およびその代襲者もいない場合には、直系尊属がすべてを相続します。
第3順位である配偶者と兄弟姉妹の場合は、配偶者が全相続分の4分の3を相続し、兄弟姉妹が残りの4分の1を相続します。代襲者も子の場合と同様ですが、兄弟姉妹には再代襲は認められません。配偶者も、被相続人の子や直系尊属およびそれらの代襲者もいない場合は、兄弟姉妹がすべてを相続します。
以上、民法では法定相続人および法定相続分が規定されています。しかし遺言書のない相続においては、法定相続人については特段問題がありませんが、法定相続分についてはすんなり決着の付く問題ではありません。
相続財産のうち現金預貯金が大半を占めれば良いのですが、不動産が多くを占める場合には単純には割り切れるものではありません。相続人同士の協議で決まれば問題ありませんが、協議が成立するには相続人全員の合意が必要になります。家族内でもめることも、意外に少なくないようです。
協議が成立しない場合には家庭裁判所に調停を申し立てることになります。そこでも調停が成立しない場合には、今度は家庭裁判所の審査を仰ぐことになってしまいます。
問題が法廷に持ち込まれる前に、第三者を立てて早期の遺産分割協議を行うことも一考かと存じます。遺産分割協議では事前に相続人や相続財産を調査した上で一覧にし、きちんと遺産分割協議案を作成しておかなければ、まとまる話もまとまりません。
相続分については遺留分制度というものもあります。遺留分とは一定の相続人に対して保証された、最低限の相続分の割合のことです。例えば被相続人の遺言書や生前贈与、遺贈等によって特定の相続人の相続分が不当に少なかった場合は、その相続人の生活を脅かすおそれも出てきます。そうならないように、取り分の最低限のラインを決めたものです。
言い換えると、いかに被相続人の意思であっても、一定の割合を侵してまで勝手に財産を処分することを許さない制度ということです。
遺留分を有する者は配偶者、子および直系尊属です。兄弟姉妹は遺留分を有しません。
遺留分算定の基礎となる財産は被相続人が相続開始時に有した財産に贈与した財産を加え、その中から債務の全額を控除して計算します。
遺留分権利者が配偶者や子を含む場合は法定相続分の2分の1が遺留分の割合となります。直系尊属の場合も、配偶者との共同相続である場合には遺留分は2分の1になります。具体的に数字に落とすと、配偶者または子のみの場合はそれぞれ総額1×2分の1=2分の1が保証され、配偶者と直系尊属の場合では配偶者は3分の2×2分の1=3分の1が保証され、直系尊属は3分の1×2分の1=6分の1が保証されます。
配偶者や子を含まない場合、言い換えると相続人が直系尊属のみの場合は遺留分は3分の1になります。ですので直系尊属のみの場合は、少なくても全相続額の3分の1は保証されるということになります。
遺留分を侵害された場合(相続分が遺留分に満たなかった場合)は、遺留分に満たない金額を、遺留分を侵害している者に請求することができます。これを「遺留分減殺請求権」といいます。
「遺留分減殺請求」は裁判所への請求を行わなくてもすることができ、相手方に対する意思表示をすることによって請求することができます(後々のトラブルを回避するためには、口頭ではなく内容証明を送付しておきましょう)。いったん減殺の意思表示がなされると、法律上当然にその所有権が相続権利者に復帰するので、その物が受遺者や遺贈者に引渡されていても、所有権に基づいて返還を請求することができます。
http://yuigon-souzoku-gunma.com/category13/entry52.html
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今日は公正証書遺言を作成する際のメリット・デメリットについて書いていきます。
まずデメリットは
①遺言書作成に費用がかかる
②公証役場に出向いて作成し、2名以上の証人が必要
③遺言書の内容を秘密にできないこと
です。
①については、自筆証書遺言とは対照的に当然費用が発生します。行政書士が協力する場合にはその報酬と、公証人への手数料が必要になります。公証人の手数料は遺言に記載される、目的の財産の額によって異なります。
例えば3000万円までは23000円、5000万円までは29000円になります。これは相続人1名あたりの額であって、相続人が複数いる場合は、相続人それぞれの手数料を算出し、相続人全員分を足し込みます。
例えば相続人が子供2人であり、それぞれが2000万円相当の財産を相続したとします。その場合の基本手数料は、23000円+23000円=46000円ということになります。それに総額が1億円以下の場合は11000円が加算されます。
少なからぬ金額になりますが、もとより公正証書遺言書を遺される方はご家族の相続の負担を減らすことを願ってすることですので、円満・安心への対価としては相当額として考えられる場合が多くなります。
②公正証書の作成については、厳密な方法が取られます。公証人の前で遺言者が遺言書の内容について口述するか、公証人が遺言書の内容を読み上げて遺言者と証人の確認をとるという方法によって行われます。ここで遺言者に行為能力があるかどうかも判断します。
証人も公正証書を作成する重要な要件になりますので、途中退出することは許されず、作成の最初から最後まで立ち会うこととなります。
③については公正証書作成の過程で、内容が公証人や証人にわかることとなります。当然公証人や証人には守秘義務がありますので、ここから外部に内容が漏れる心配はありません。他の相続人等については内容を知ることはできません。
ではメリットはどのようなものになるでしょうか。
①最終的に法律の専門家である公証人が関与しますので、方式不備や内容の不備による無効は回避できます。
②遺言書が公証役場に保管されるので、紛失や改ざん等のおそれはありません。
③遺言者の死後、相続人が容易に探すことができます(相続が開始された場合、遺言書の存在を知らない場合でも通常は段取りとして公証役場を当たります)。
④家庭裁判所での「検認手続き」は不要です。
⑤自分で直接作成することができなくても、遺言能力があれば作成することができます。
⑥公正証書遺言の場合は、遺言書の内容がほぼ確実に実現されます。
自筆証書遺言の記事で書きましたが、自筆証書遺言のデメリットとされていることの多くは、法律の専門家が関与しないことで起こるものです。公正証書遺言の場合は作成の過程で専門家が必ず関与しますので、そういったトラブルを防ぐことができます。
ただ自筆証書遺言も、費用がかからず手軽に書く事ができるというメリットは大きいものですので、できれば自筆証書遺言を欠かれる際にも、行政書士のアドバイスに従って(費用はかかりますが)書かれることをお勧めします。
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今日は「公正証書遺言」についてお話します。
「公正証書遺言」とは、「自筆証書遺言」と同様に民法の規定に則って書かれた遺言書ですが、公証役場で公証人と証人の立会によってその内容や方式を確認され公証された遺言書です。ですので方式や内容に誤りのないものとなります。
また作成された遺言書は、公証役場に保管され、遺言者や遺言執行者にも正副本が渡されます。この方式にも長所短所があります。
短所は、
①行政書士の費用の他にも公証役場や証人費用等、作成に費用がかかります。公証役場での手数料は財産額に応じて決められており、相続人数分の費用がかかります。
②交渉人や証人に内容を確認されますので、遺言書の存在と内容の秘密が確保できません。またご家族等も、公証役場のシステムによって、遺言の存在は確認できます。
一方の長所ですが、
①公証人が関与しますので、方式の不備や内容の不備による無効を避けることができます。
②遺言書が公証役場で保管されますので、紛失や改ざんの恐れがありません。
③家庭裁判所での検認手続きは不要です。
④遺言書の内容がほぼ確実に実現される可能性が極めて高いものです。
以上「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」について書きましたが、特に行政書士等に依頼される方式としてはほとんどが公正証書遺言となります。
遺言書を残される方の多くはご自身の意思を伝えたいことももちろんですが、遺された家族の方々の心身の負担を軽くすることを第一に望まれていることが多いようです。円満な相続と遺言の確実な実現のためにも、費用はかかってもスムーズなお手続きを取ることのできる、公正証書遺言をおすすめします。
http://gyosei-suzuki-office.com/category2/entry19.html
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戸籍を取得し相続人を確定していく中で、袋小路に出くわす場面があります。それは疎遠な共同相続人がいる場合に、その方を戸籍で法定相続人であることを確認し、存命かどうかの住所追跡をしていく中で、足取りが途絶えてしまうことです。
関係性が確認できた際はその方に遺産分割協議の旨をお伝えする文書なりを発送していくわけですが、最終住所地に文書を発送しても戻ってきてしまう場合があります。書留と通常郵便2パターンで送ったりもしますが、返送されるということは最終住所地に住んでいない、地番変更等で番地自体が現在は存在しない。あるいは建物自体がないどこにいるかわからないと言うことです。
この場合はその土地の登記確認をし、土地の現在の所有者や建物の存在等を確認します。そこから次の状況を推測していくわけですが、こちら側の血縁者から情報を得られない以上、次の手立てはその方のもう一方の血縁者から事情を聞くしか手立てはありません。この場合はさらに難易度が上がります。例えば兄弟相続の代襲者(妹等の代襲者)で、甥の父方の存命の血縁者をたどる場合などです。
行政書士にご依頼をいただいた場合は、職務上戸籍を取得することができますが、もう一方の血縁者は被相続人や依頼者からの縁が薄くなるので、個人情報保護の観点から、戸籍を役所からいただけない場合が出てきます。理由を説明してもいただけない役所もあります。そうなったら相続人の追跡は終わってしまいますが、複数の関係者がいる場合は、どこかの役所で戸籍や住民票を取得でき、その血縁者から相続人の消息を聞ける場合があります。ですので、ご依頼をいただいた場合は、手段がなくなるまで手を尽くすことになります。
ここでその相続人の行方をたどることができなかったり、行方不明であることがわかった場合は、手間はかかりますが、裁判所に財産管理人の申し立てをしたり失踪宣告を行うことによって相続を完了させていきます。
建物の滅失登記がなされ(取り壊し)て足取りがわからなくなっても、前述のとおり関係者に連絡が付くことによって消息がわかることがあります。具体的には認知症などによって長期に入院し、住居に戻る見込みがないので建物を取り壊してしまった場合などです。このような場合は成年被後見人等が付いている場合も多いので、その方の後見人などと遺産分割協議を進めていくことになります。
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今日朝の天気予報でGW後半の天気について話していました。1週間前には後半は荒れる見込みだと行っていたので、一安心ですね。土日休みの方は羽を伸ばして、サービス業や小売業の方は書き入れ時。世間全般、天気の効果は大きいですね。
ここのところ天気予報がよく当たるなと感じていますが、1週間程度先の予報では、雨予報が晴れに変わるケースが多いかなとも感じています。天気予報の精度の問題ではなく天候が落ち着いている年ということなんでしょうが、ここ3ヶ月では群馬の雨量も平年を若干下回っていますね。夏も暑いようですし、また館林の話題も多くなるでしょう。
GW後半は実家の静岡に帰ります。昔は子供4人とワイワイ帰っていましたが、世代も引き継がれてしまいましたね。日曜日にお土産のハラダのラスクを買い込んできます。
今日は2月に法制審議会より法務大臣に答申された、相続分野に関する民法改正について書いてみます。
民法については昨年120年ぶりに契約や債権関係の改正法が国会で成立し、2020年4月1日に施行されます。相続分野についてはこれまでも社会情勢の変化に即して改正が行われ、配偶者や非嫡出子の法定相続分の割合等が改められてきましたが、今回改正案のポイントは次のとおりです。
①配偶者の居住権を保護するための方策
②遺産分割に関する見直し等
③遺言制度に関する見直し
④遺留分制度に関する見直し
⑤相続の効力等(権利及び義務の承継等)に関する見直し
⑥相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
まず配偶者(以下妻とします)の居住権を保護するための方策についてみてみます。
現行法では被相続人の死亡後に被相続人名義の自宅に妻のみが居住していた場合でも、子がいた場合には妻の法定相続分は2分の1であり、仮に現金預金等の相続分が少なかった場合には、2分の1を超えた分の自宅の評価額分を子に渡さなくてはならないケースが出てきます。
妻と子の折り合いが悪かったりして子から請求された場合には、現実に妻が自宅を処分して相当分を子に渡すというケースもあるようです。
例として妻と子がひとりいるケースです。自宅の評価額が2000万円で預貯金が1000万円、相続額の合計が3000万円とします。この場合は妻も子も法定相続分は1500万円となります。預貯金を子がすべて相続しても500万円足りませんので、この場合は残りの500万円を子が妻に主張することができます。妻としてはやむをえず自宅を処分して、その分を子に渡すこととなります。これでは被相続人の死亡により妻が困窮する事態に陥ってしまいます。
今回の改正案では超高齢社会を見据えて、高齢の妻の生活や住居を確保するための内容が盛り込まれています。
まず要項に明記されたのが「配偶者居住権」です。文字通り妻が自宅に住み続けることのできる権利であり、所有権とは異なって売買や譲渡はできません。居住権の評価額は住む期間によって決まり、居住期間は一定期間または亡くなるまでのいずれかの期間で、子との協議で決めます。
前述のケースで妻の居住権の評価額が1000万円だったとしますと、妻は法定相続分1500万円のうち1000万円分の居住権と残り500万円分の預貯金を相続することとなります。子は自宅の評価額2000万円から居住権を引いた1000万円分の所有権と、預貯金500万円を相続することとなります。妻が住んでいるあいだの必要経費は妻が負担しますが、固定資産等の税制についてはまだ決まっていません。
次の遺産分割に関する見直し等についてですが、現行法では妻が自宅等を生前贈与されていたとしても、自宅も遺産分割の対象となってしまいます。ですので前述のケース同様となります。
要綱では結婚から20年以上の夫婦に限り、自宅が遺産分割の対象から除外されることになります。前述のケースでは遺産分割の対象となるのは預貯金1000万円のみとなり、妻と子にそれぞれ2分の1づつが相続されます。これも長年連れ添った妻への配慮であり、高齢で再婚した場合等と区別するものです。期間は延期間であって離婚を挟んでも問題はありませんが、事実婚や同性婚は対象となりません。
3つめは遺言制度に関する見直しです。昨今は自筆証書遺言への関心も高まってきているようですが、現行民法ではすべての文言が自署である必要があります。改正案では自筆証書遺言に関しすべてが自署である必要はなく、財産目録等はパソコン作成のものを添付することでも可能となります。ただし各ページへの署名押印は必要となります。
また自筆証書遺言の保管制度が新たに創設され、遺言者は自筆証書遺言を各地の法務局に保管するよう申請することができ、死亡後は相続人等が保管先法務局に対して遺言書の閲覧請求等をすることができます。その際法務局は、他の相続人等に対しては通知をだすこととなります。
法務局が保管していた自筆証書遺言は検認を要しません。ただ公正証書遺言と異なり、法務局保管の自筆証書遺言が必ずしも最終最新のものではないおそれは残りますので、探索や確認は必要となります。
4つめは遺留分制度に関する見直しです。遺留分減殺請求権の効力については、受遺者等に対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができるようになり、権利行使により遺留分侵害額に相当する金銭債権が発生するという考え方が採用されます。
また遺留分減殺請求の対象となる遺贈・贈与が複数存在する場合については現行法の規定に加えて、減殺の割合についてはこれまで解釈によっていたものが、今回案では明文化されています。遺留分の算定方法については現行法の相続開始の1年前にした贈与に加え、相続人贈与は相続開始前の10年間にされたものが算入対象となります。
5つめは相続の効力等(権利及び義務の承継等)に関する見直しについてです。これは遺言などで法定相続分を超えて相続した不動産等は、登記をしなければ第三者に権利を主張できないというものです。
最後に相続人以外の者の貢献を考慮するための方策についてです。現行法では寄与分については相続人にのみ認められていましたが、改正案では相続人以外の被相続人の親族が被相続人の介護をしていた場合、一定の要件を満たせば相続人に金銭請求できる こととなります。
被相続人の親族とは、6親等以内の血族および3親等以内の血族の配偶者が対象となります。
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今日は遺産分割協議について書いていきます。
「遺産分割協議」とは、相続人全員で相続財産の配分や分割方法を決める協議をいいます。通常は遺言書がなかった場合に行われますが、遺言書があってもその相続分を変えるために行う場合もあります。
相続財産は分けることが容易である現金預貯金等だけでなく、通常は分けることが困難な家などの不動産である場合が多く見られます。そのような財産も相続税を納める等の都合もあり、定められた期限内にはその配分を決める必要が出てきます。
遺産分割協議は通常、相続人の代表者が中心となって進めていきます。代表者は多くの場合は一番たくさん財産を相続する者がなりますが、行政書士等の代理人の場合もあります。
協議の進め方は、概ね次のとおりになります。
①まず遺言書を探します。
②相続人を確定し、「相続人関係図」を作成します。
③相続財産を確定し、「財産目録」を作成します。
④相続人全員に連絡を取ります。
⑤遺産分割協議案を作成します。
⑥遺産分割協議開催の段取りをつけます。
⑦遺産分割協議書の案をもとに相続人全員参加の遺産分割協議を行います。
⑧相続人全員の合意により相続分を決めます。
⑨遺産分割協議が成立したら「遺産分割協議書」を作成します。
⑩遺産分割協議書をもとに、金融機関の手続きや不動産の相続登記等を行います。
以上の段取となりますが、遺言書があれば基本はそれに従って相続を行うこととなります。協議を行ったあとで遺言書が発見された場合は、相続人の主張によっては相続のやり直しとなる場合もありますので、まずは遺言書を探します。
探すのは可能性の高いところから当たりますが、親しい知り合いに士業の方などがいた場合は、そちらに相談がなかったかの確認をとります。それから公証役場に行き、公正証書遺言の存在を確認します。そこでもない場合は銀行の貸金庫や自宅を探します。
遺言書があった場合は、基本的にはそれに従いますが、自筆遺言の場合は家庭裁判所に検認の手続きをとり、その後は遺言書の真偽や合法性を確認します。最初に相続人全員での協議が整えば、遺言書があってもその合意が優先すると書きましたが、遺言執行人がいる場合はその者の執行義務との兼ね合いもありますので、必ず遺言執行人と事前に打ち合わせを行ないます。また被相続人の意思を尊重するという意味からも、出来る限りは遺言書に沿う形の執行が望まれます。
次は相続人および相続財産を確定します。相続人については通常はわかっている範囲での協議になりますが、前妻の子や認知している非嫡出子も相続人となりますので、戸籍をたどって相続人関係図を作成します。相続手続きで必要となる場合がありますので、一般的には作成することをおすすめします。
財産については心当たりのある金融機関に問い合わせを行い、また不動産等の登記簿を確認します。こちらも財産目録を作成します。そしてこれらをもとに遺産分割の案を作成します。基本的には法定相続分をもとに、相続人の寄与分や不動産の実態(配偶者が自宅に居住している等)を鑑み配分を行います。
それからその案をもとに協議を行うことになりますので、まずは相続人全員に連絡をとり、遺産分割協議を開催します。ここで注意することは、遺産分割協議は相続人全員の参加が必要となることです。海外等に居住し参加できない者も原則は参加するものとなりますので、もし参加できない場合には事前に、他の意見に従う等の同意書を取得する必要があります。
やっかいなのは行方不明者がいた場合の措置であり、この場合は家庭裁判所に「失踪申告の申し立て」等を行うこととなります。また成年被後見人等の制限行為能力者がいる場合は後見人等の代理が必要となり、未成年がいる場合は「特別代理人」による代理が必要となります。
未成年は基本的に法律行為は行えませんので、その場合は代理人が必要になります。通常の代理人はその親がなることが一般的ですが、相続の場合はその親と子で同じ相続人という利益相反の立場となるため、代理人となることができません。そのため家庭裁判所に特別代理人選任の申し立てを行うこととなります。
それらの者が整いましたら遺産分割協議を行い、原案をもとに協議を整います。協議が成立した場合は、その内容で遺産分割協議書を作成することとなります。金融機関等の相続において必要となるため、協議書はたとえ親子2人での協議の場合であっても作成します。協議が成立しなかった場合は家庭裁判所への調停の申し立てを行い、それでも整わなければ裁判ということになります。
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今日は共有について見てみます。
これも相続分野で頻出する言葉となりますが、「共有」とは、数人の者が共同所有の割合である「持分」を併せて1つの物を所有することを言います。単純に言えば、数人で1つの物を所有することですね。
「持分」とは今述べたように、共有物に対する所有権の割合のことです。持分の割合はそれぞれの意思表示や法律の規定(法定相続分等)により決まりますが、その割合が不明な場合は各共有者平等の持分であると推定されることになります。
持分は各共有者が原則自由に処分できます。共有目的物の利用については各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができます。
例えば1台の自動車を3人で共有しているとしますと、3人それぞれがその自動車を自由に使用することができます。しかし異なる目的を同時に行うことはできませんので、必要な場合は各自の持分に応じた使用時間配分を決められるということです。自動車を購入するのにAさんがその代金50%、BさんとCさんが25%を出資していたとすると、その割合で使用時間を決められるということになります。
相続に当てはめると、配偶者と子供が2人いる場合は配偶者が50%の持分であり、2人の子供はそれぞれ25%ずつの持分ということになりますね。
また持分は、使用する共有者の1人がその持分を放棄した場合や、共有者が死亡した際に相続人がいない場合はその持分は他の者に帰属することとなります。
共有物には日々の利用についても制約がありますので、それらについても見ていきましょう。
共有物の利用については、その内容や利用状況から次の3つに区分されています。
①保存行為
②管理行為
③変更行為
になります。「保存行為」とは修理や修繕など、共有物の現状を維持する行為であり、各自が単独で行うことができます。なお現状維持という観点からの妨害排除請求や消滅時効の中断なども共同で行われる必要はなく、各自が単独で行うことができます。
次の「管理行為」とは、共有物の性質を変えることなく利用したり改良する行為とされています。これには共有物の賃貸やそれに関する解除や取り消し行為などがありますが、この場合は単独で行うことはできず、共有の過半数の合意が必要になります。
過半数とは人数が基準になるものではなく、持分の価格を基準にしての過半数になります。Aが10でBが20の持分価格を有していても、Cが50を有する場合には必ずCの承諾が必要になります。
「変更行為」とは共有物の性質や形状を変更することを言います。具体的には共有物を売却したりその全部に抵当権等を設定する場合がこれに当たりますが、この場合は共有者全員の同意が必要になります。
最後に「共有物の分割」について見てみましょう。共有物については、各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができます。分割の方法は現物分割、代金分割、価格賠償の3つがあります。
ここでの「現物分割」とは現物そのものを分割すること、「代金分割」とは共有物を売却してその代金を分割する方法です。「価格賠償」とは共有物を分割した際に持分に満たない者に、超過した者からその金額を補填することを言います。
共有分割の協議が整わない場合は遺産分割協議同様、裁判所に分割を請求することになります。なお遺言書による場合が多いですが、共有物を5年を超えない期間で分割を禁止する特約を付けることもできます。
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今日は付言について書いてみます。
「付言」は「ふげん」と読みます。付言とは遺言書に自分のメッセージとして付け加える言葉です。付言自体には法的効果はありませんので、遺言書の方式を満たす要件にはなっていません。しかし多くの方が文面に残されているようですし、行政書士としても基本的にはおすすめをすることにしています。
また書面への付言という形ではなく、別途手紙という形で残される場合もあります。しかしこの場合は公正証書遺言のように公証役場で保管がなされず、またその真偽も定かではないため信ぴょう性が疑われることもあり、お勧めはできません。
付という文字がつくと、付記や追記という言葉が思い浮かんでしまいますが、もちろんこれらのように、後から付け加える(意図的な場合もあるでしょうが)という性質のものではありません。むしろその遺言書を書かれた本来の動機や目的から発する言葉だと考えます。
遺言を残す動機はいろいろあると思いますが、ひとつには自分が苦労して残した財産を、自分の意思で自分の思う通りに配分したいという考えです。これは自分がいなくなっても、その財産を有効に活用することのできる子を中心に相続させたいというような合理的な理由もあるでしょうし、今まで自分にしてくれた行為や与えてくれた愛情への論功行賞的な理由の場合もあるかも知れません。
また例えば子供ごとに異なるそれまでの支援状況も加味した上で、それらを差し引いてそれぞれ平等な相続額にという場合もあるでしょうし、それぞれの暮らしぶりから行く末を案じてということもあるかも知れません。
もうひとつの動機は、自分が亡くなったあとも、相続でもめることの無いようにとの家族への配慮や愛情から発せられるものです。遺言書を書こうか悩まれている方の多くは、むしろこちらの動機が強いのではないかと思います。
でもそのような愛情から発した遺言書も、内要によっては感情的なしこりを残す場合も出てきます。
多くの場合には相続財産は不動産など、簡単に分割できないものになります。また現に今どなたかが住まわれている家も相続財産(生前贈与されていても相続財産に加わります)になりますので、それを相続の段階で分割しようといってもなかなかできることではありません。
遺言書がなかった場合の相続では必ずおこる問題ですが、そもそもそういうゴタゴタでご家族の方に心身の負担をかけたくないという思いで遺言書を書かれたはずです。かといって実際にはその住まわれている家や不動産などの財産を均等に分けることは非常に困難なことですし、多少なりとも偏りが出てしまいます。そこにどなたかの不満がでないとも限りません。
遺言書というものは元来無味乾燥なものです。そこには相続人や相続財産などが淡々と記載されているだけで、ご本人の本来の意思など確認しようもありません。意思を読み取ったり推察することはできるでしょうが、誤解の生まれる余地も多分にあります。ましてや相続分に偏りがあった場合などは、相続分の少ない方からの不満はあって当然だと思います。
財産を偏りなく相続させることはとてもむつかしいことです。不動産が多い場合などはなおさらです。愛情の多い少ないで相続分を考えたのではなく、事情があってしたことであれば、その理由は伝えてあげた方が良いと思います。
付言はご自分の感情を伝える最後の方法であるとともに、ご遺族の方にとっても、あなたのご意思を知る最後の機会に違いありません。
最後にひとつ。くれぐれも愚痴や恨み言は残さないようにしましょう。
ご家族が円満に相続を終えていただくためにも、あなたが遺言書を書かれた動機や意図を伝えることが重要になります。付言とはそのときそこにいないあなたに代って、そのメッセージを伝える役割を担っています。
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