遺言における付言について

今日は付言について書いてみます。

「付言」は「ふげん」と読みます。付言とは遺言書に自分のメッセージとして付け加える言葉です。付言自体には法的効果はありませんので、遺言書の方式を満たす要件にはなっていません。しかし多くの方が文面に残されているようですし、行政書士としても基本的にはおすすめをすることにしています。

また書面への付言という形ではなく、別途手紙という形で残される場合もあります。しかしこの場合は公正証書遺言のように公証役場で保管がなされず、またその真偽も定かではないため信ぴょう性が疑われることもあり、お勧めはできません。

付という文字がつくと、付記や追記という言葉が思い浮かんでしまいますが、もちろんこれらのように、後から付け加える(意図的な場合もあるでしょうが)という性質のものではありません。むしろその遺言書を書かれた本来の動機や目的から発する言葉だと考えます。

遺言を残す動機はいろいろあると思いますが、ひとつには自分が苦労して残した財産を、自分の意思で自分の思う通りに配分したいという考えです。これは自分がいなくなっても、その財産を有効に活用することのできる子を中心に相続させたいというような合理的な理由もあるでしょうし、今まで自分にしてくれた行為や与えてくれた愛情への論功行賞的な理由の場合もあるかも知れません。

また例えば子供ごとに異なるそれまでの支援状況も加味した上で、それらを差し引いてそれぞれ平等な相続額にという場合もあるでしょうし、それぞれの暮らしぶりから行く末を案じてということもあるかも知れません。

もうひとつの動機は、自分が亡くなったあとも、相続でもめることの無いようにとの家族への配慮や愛情から発せられるものです。遺言書を書こうか悩まれている方の多くは、むしろこちらの動機が強いのではないかと思います。

でもそのような愛情から発した遺言書も、内要によっては感情的なしこりを残す場合も出てきます。

多くの場合には相続財産は不動産など、簡単に分割できないものになります。また現に今どなたかが住まわれている家も相続財産(生前贈与されていても相続財産に加わります)になりますので、それを相続の段階で分割しようといってもなかなかできることではありません。

遺言書がなかった場合の相続では必ずおこる問題ですが、そもそもそういうゴタゴタでご家族の方に心身の負担をかけたくないという思いで遺言書を書かれたはずです。かといって実際にはその住まわれている家や不動産などの財産を均等に分けることは非常に困難なことですし、多少なりとも偏りが出てしまいます。そこにどなたかの不満がでないとも限りません。

遺言書というものは元来無味乾燥なものです。そこには相続人や相続財産などが淡々と記載されているだけで、ご本人の本来の意思など確認しようもありません。意思を読み取ったり推察することはできるでしょうが、誤解の生まれる余地も多分にあります。ましてや相続分に偏りがあった場合などは、相続分の少ない方からの不満はあって当然だと思います。

財産を偏りなく相続させることはとてもむつかしいことです。不動産が多い場合などはなおさらです。愛情の多い少ないで相続分を考えたのではなく、事情があってしたことであれば、その理由は伝えてあげた方が良いと思います。

付言はご自分の感情を伝える最後の方法であるとともに、ご遺族の方にとっても、あなたのご意思を知る最後の機会に違いありません。

最後にひとつ。くれぐれも愚痴や恨み言は残さないようにしましょう。

ご家族が円満に相続を終えていただくためにも、あなたが遺言書を書かれた動機や意図を伝えることが重要になります。付言とはそのときそこにいないあなたに代って、そのメッセージを伝える役割を担っています。

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相続分野の改正民法が、本年7月1日に施行となります。 すでに施行された「自筆遺言書の方式緩和」、2020年4月1日施行の「配偶者の居住権を保護するための方策(短期、長期)」、2020年7月10日施行の「自筆証書遺言の保管制度」を除き、2019年7月1日より施行されます。 あと1月ほどとなりましたが、これには「遺留分制度」や「相続人以外の者の貢献」に関する改正が含まれますので、下記リンクより一度ご確認下さい。 https://www.yuigon-souzoku-gunma.com/category13/entry69.html  
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今日は遺言書のない相続について記載します。 ■筆者の相続ホームページ https://www.yuigon-souzoku-gunma.com/category13/ 相続は多かれ少なかれ突然発生します。亡くなられた方が長く病で伏せってらしても、そのような状態ではなかなか事前に相続のことまで気が回りません。その方ご自身が相続人の方の今後を考えられて遺言書を作成する場合もありますが、考えている内に遺言書自体を作成する認知能力などが失われてしまいます。 では突然やってきた相続の場合どうすれば良いでしょうか。当面は配偶者やお子さんなどの一番身近な方が死亡届や年金、税金関係など役所の手続きをすませたり、金融機関に連絡をされると思います。当面葬儀などの資金が必要になるでしょうから、必要額を事前に亡くなられた方の口座から引き出しておく必要もあります。 とりあえずの段取を終え落ち着かれたら、次は相続について考えなければなりません。一般的に被相続人(亡くなられた方)の財産には、現金や預貯金の他、不動産があります。その他有価証券等がある場合もあります。これらを相続人全員で協議し、それぞれの取り分を決めなくてはなりません。 まず配偶者の方やお子さんなどの一番身近な方が主導となり、相続人に当たりを付けます。そこから関連するすべての戸籍を取り、並行してすべての財産を探索してまとめ上げます。身近の方が亡くなられてそこまで気が回らないこともあるでしょうが、できる限り早く手を付けることが肝要です。お忙しければ当職のような行政書士などの代理人に依頼することもお勧めします。 なぜ急がなければならないかというと、相続には法律でいろいろな期限が決められているからです。例えば3ヶ月以内にしなければならないことは、財産を相続するか放棄するかの決断です。相続放棄は3ヶ月以内に手続きをしないと、以降は相続放棄ができなくなります。たとえ借金が残された財産より多くても、負債も含めて相続人に法定相続分だけ相続され、被相続人の借金を返済しなければならなくなります。多くの借金が想定される場合には、非常に重大な期限になります。 また逆に相続財産が多い場合も重要な期限があります。それは10ヶ月以内に相続税を納めなければならないことです。期限内でしたら住宅などの特例措置もあります。相続財産が多い方は、出来れば早めに行政書士などの専門家に依頼し、速やかに相続手続きに着手されることをお勧めします。
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今日は遺言について書いていきます。遺言については以前にも書きましたが、相続遺言に関する民法がこの7月に約40年ぶりに大幅改正されましたので、それも含めて見てみましょう。 遺言を残そうとされる目的の多くは、ご自分の作られた財産をきちんとご自分の手で、ご自分の意思で配分したいというところにあると思います。考えられるきっかけはちょっとしたことからかもしれませんが、その動機の多くは遺されるご家族のことを考え、円満でスムーズに相続を終えてもらいたいという気持ちから発せられるようです。 中には家族親族がいがみあっていたり、複雑な関係性であったり、また相続人がいないなどの理由からトラブル防止のための遺言を書かれる場合もあると思います。また事業承継にあっては、自ら思い描く将来のために、きちんと整理した形で財産を相続させる場合もあろうかと思います。 いずれにせよ遺言を残される以上、法的に効果のある遺言にしなければなりません。では法的に効果のある遺言とはどのようなものでしょうか。 遺言自体はどのような形でも残すことができます。口頭で伝える場合もあれば、録音やビデオで伝える場合もあります。また通常は皆さん考えられるところの書面で残すことが多くなります。しかし法的に効果のある遺言は、きちんと法律に従った形式で、書面として残さなくてはいけないものになります。 きちんとビデオに撮っていても、それがそれぞれの相続人が納得するものであれば問題ありませんが、争いになった場合は法的に根拠がないものとして認められないものになります。 昨日たまたまビデオで「激動の1750日」という映画を見ていて、三代目姐が「先代が言い残した」という一言で後継が決まってしまいました。実際に言い残してはいないので争いになった場合は法的根拠のないものとなりますが、特殊な世界であれ、「故人が言っていた」の一言で相続が決まってしまってはたまりません。そこかしこでトラブルが頻発するでしょう。そんなトラブルを起こさないためにも、法律が遺言の形式を定めています。 ここでの法律は「民法」になります。民法は、私人間の生活関係を規律する「私法」の一般法(国家等の公権力と私人の関係を規律する法である法律を「公法」といい、これには憲法・行政法・民事手続法・刑法・刑事手続法があります)であり、その内容は「財産法」(ここには物件法と債権法があります)と「家族法」に分かれます。 「家族法」には家族や親族の範囲や関係性について規定する「親族法」の部分と、相続や遺言について規定している「相続法」の部分があり、ここで遺言についても明確に規定してます。 では民法に規定する遺言について見ていきましょう。遺言の方式について、民法では「普通方式」と「特別方式」を定めています。我々が一般的に理解している遺言とは普通方式のものになりますが、簡単に特別方式の遺言について見てみます。 「特別方式」の遺言については滅多にお目にはかかれませんし、またそういう立場になっては困るのですが、緊急時に発する遺言になります。ここでは詳細は省きますが、災難がまさに降りかかっている際に発する「危急時遺言」と、世間から隔絶された場所にあるときに発する「隔絶地遺言」があります。 「危急時遺言」には「死亡危急者遺言」と「船舶避難者遺言」がありますが、前者は病気やけが、あるいは災害が差し迫っている際に発っするものであり、後者は船舶が遭難にあっている際に発するものになります。 また「隔絶地遺言」には、「伝染病隔離者遺言」と「在船者遺言」があります。前者は伝染病隔離施設や刑務所服役中などの場合、後者は遭難していない船舶の中で作成されます。 いずれも危難は迫ってはいませんので、本人が書く事になります。以上4種類が特別方式になりますが、それぞれ証人であったり検認であったり、その手続きは詳細に決められています。民法は約120年前に制定されましたので、情報の発達していない時代を背景としています。
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