相続 失踪宣告

今回は失踪宣告について書いてみます。

失踪は婚姻関係の整理や相続の分野にも関わってくる事柄です。失踪の宣告はその者の行方が不明になった場合に、利害関係人が家庭裁判所に申請することによって行ないます。家族の者でなくても構いません。

失踪宣告の請求はいつでもできますが、失踪宣告がなされた場合は、最後に生存が確認された時点から7年間の期間満了後に死亡したとみなされます。行方不明になってから8年後に請求をした場合は、1年前の期間満了時にさかのぼって死亡したとみなされます。これを普通失踪といいます。

一方飛行機や船の事故などで行方不明になった場合には、その危難が去ってから1年を経たあとに失踪宣告がなされますが、この場合は危難が去った時点にさかのぼって死亡したものとみなされます。これを特別失踪といいます。

しかし失踪宣告されたからといって失踪者本人の権利能力まで否定されるものではなく、本人が生きていた場合は他で法律行為を行うこともできます。その場合には失踪宣告の取り消しが行われますが、死亡時が異なる場合もその日付での宣告は取り消されることとなります。

では取り消しが行われた場合はどのようになるのでしょうか。失踪宣告の取り消しが行われた場合には、宣告によって財産を得た者はその権利を失うこととなり、現存利益の限度で返還義務を負うこととなります。民法では現存利益の限度(範囲)という言葉がよく出てきますが、手元に残ったお金があれば返還するということです。

手元に残ったお金が返還すべき額を下回っていたとしても、その使ったお金が家計費などの自分の利益になるものに使った場合は、その分は補填しなければいけないということです。一方ギャンブルなどで浪費してしまった場合は利益として残っていないのですから、その分は返還する必要はないですというものです。一見理不尽に思えますが、そういう内容です。

宣告によって財産を得た者が、第三者と既に取引を行っていた場合はどのようになるのでしょうか。この場合は、取引の当事者双方が善意であれば取引行為は有効となります。ちなみに善意という言葉が法律用語として使われる場合は、「その事実について知らない」ということを意味し、対義語である悪意は「その事実について知っている」ことを意味します。

夫の失踪宣告後に別の男性と結婚していた場合はどうなるのでしょうか。この場合は、妻と現在の夫の一方または双方が悪意(失踪した夫が生存していることを知っている)であれば、前婚が復活し重婚関係となります。重婚は認められませんので、現在の結婚を生かす場合には前婚の離婚届けを出し、前婚を生かす場合には現在の婚姻を取り消します。妻と現在の夫の双方が善意であれば、前婚は復活しません。

相続で行方不明の方が問題となる場面は、共同相続の場合です。共同相続に際しては、必ず相続人全員参加の遺産分割協議が必要になりますので、行方不明者がいる場合は失踪宣告を請求する必要も出てきます。この場合も協議との兼ね合いで時間的猶予のないこともありますので、実際はまず不在者財産管理人選任を請求することとなります。この請求は、行方不明者が最後にいたであろう場所を管轄する家庭裁判所に行ないます。

不在者財産管理人の立場としては、遺産分割で不在者に不利な配分を求めることもできませんので、実際は法定相続分での決着が多いようです。

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民法 時効について
今日は時効について書いてみます。時効というと刑事ドラマなどでよく耳にする言葉ですが、法律では「ある一定の事実状態が一定の期間継続した場合に、その事実の法律上の根拠に合致するかどうかを問わずに、その事実状態を尊重して権利を認める」制度を言います。 時間の経過で証拠能力が希薄になる一方、その事実が継続している場合はそれ自体が重いということを尊重して制定された条項です。 では民法における「時効」について見てみましょう。時効完成の要件は、一定の事実状態が一定の期間継続することです。また時効が完成しその利益を得るためには、その意思表示をしなくてはなりません。「時効の援用(えんよう)」と呼ばれるものです。 時効の援用は時効の利益を受ける旨の意思表示であり、援用して時効の利益を受けるかどうかは個人の意思になります。時効を放棄することもできますが、時効が完成する前にあらかじめ放棄を行うことはできません。時効が完成してから放棄することになります。また放棄ではありませんが、時効が完成してもそれを知らずに債務を承認してしまった場合などは、もう援用をすることはできません。 時効の利益を受ける者は援用権者である当事者に限られますが、判例ではその者を「時効に因り直接に利益を受くべき者」としています。時効の効果は遡及効といって、最初の起算点にさかのぼって効果を発生することになります。 民事上の時効には一定の期間を経ることによって権利を取得する「取得時効」と、一定の期間を経ることによって権利を失う「消滅時効」があります。ではまず取得時効から見てみましょう。 「取得時効」とは、物の占有の継続に対して真実の権利を認める制度になります。他人の物であっても一定の期間占有をしていれば、その事実を尊重して権利が移転するという制度です。取得時効の要件は次の5つになります。 ①「他人の物」を占有していること(場合によっては自分の物でも可とした判例もあります) ②所有の意思を持って占有していること(自主占有といいます) ③平穏かつ公然と占有していること ④一定期間占有を継続していること ⑤時効援用の意思表示がされること になります。なお④の期間は、条件によって変わってきます。その物(不動産も含みます)の占有を開始した時に善意無過失であった場合は10年です。善意無過失でない場合(悪意または有過失)は20年になります。 善意無過失の判定はあくまでも最初の占有者が占有を開始した時点が起算点になりますので、前の占有者から占有を引き継いだ場合も(占有の事実が重要となりますので、占有する者が変わっても問題ありません)、引き継いだ時の善意無過失が問題になるわけではありません。最初の占有者が善意無過失であれば、取得時効の条件は10年になります。 なお②③の所有の意思についてですが、これは「占有者は所有の意志をもって、善意で、平穏にかつ公然と占有をするものと推定する」(占有の推定)とされています。ですので占有の事実があれば、所有の意思は推定されるものとされています。 時効取得の対象は、「所有権」と「所有権以外の財産権」になります。所有権以外とは、地上権・永小作権・地役権などです。一般債権の時効取得はできませんが、不動産における賃貸借権は例外として、要件が揃えば時効取得できます。 では次にもうひとつの「消滅時効」について見てみましょう。消滅時効とは、一定期間の経過によって債権などの権利が消滅してしまう制度を言います。消滅時効の要件としては次の4つがあります。 ①権利不行使が一定期間継続すること ②法定中断のないこと ③時効援用の意思表示をすること です。①の期間については、債権については10年で消滅し、債権または所有権以外の財産権は20年で消滅します。商法などに規定されている商事債権などの場合はより短い期間で消滅します。なお所有権については取得時効の対象とはなりますが、消滅時効の対象にはなりません。 時効については「中断」という制度も設けられています。時効が継続している場合であっても、 ①請求 ②差し押さえ、仮差し押さえ、仮処分 ③承認(債権者に権利があることを認めること) によって時効の進行が止まり、そこが起算点となってまた時効の進行が始まります。中断の効力は基本的には当事者およびその承継人に対してのみ生じますが、保証人や物上保証人に生じる場合もあります。 中断自由の請求については裁判上で行ないます。もしそこで却下や取り下げがあった場合は、中断の効力は失われます。なお裁判外で行う場合は「催告」と呼ばれ内容証明郵便等でされますが、その場合の効力は時効を停止させるにとどまり、中断の効果を得るためにはそこから6ヶ月以内に裁判上の請求を行う必要があります。消滅時効に関しては2020年施行の改正民法で見直しがなされていますので、確認ください。 https://www.gyosei-suzuki-office.com/category8/category10/entry36.html https://kouseishousho-gunma.com/category7/entry18.html  
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相続の際の後見制度 制限行為能力者について
今日は権利能力・意思能力・行為能力というものについて書いてみます。 まず権利能力とはどういうものでしょうか。権利能力とは、権利や義務の主体となりうる地位や資格のことであり、自然人である人間はもちろんのこと、法人も含む概念です。生まれた時に取得し、死亡した時に失います。相続の記事でも触れましたが、胎児については権利能力は認められませんが、相続や遺贈を受ける権利、また不法行為による損害賠償権は例外として、生きて生まれた場合にさかのぼって認められることになります。 次の意志能力とは、自分の行為の結果を理解(弁識)できるだけの精神能力のことをいい、一般的には10才程度の者であれば有するとされています。よく犯罪などで鑑定が行われますが、通常は意思能力を有するものであっても、泥酔している場合などは意思能力を有していないとされます。 意思能力は私的自治の前提となりますので、意思無能力者の行為はすべて無効となります。 行為能力とは、単独で有効な法律行為を出来る能力のことです。これは法律でその地位や資格が定められており、法律によって行為能力が制限されている者を制限行為能力者といいます。それらの人たちの行動を抑制するという趣旨ではなく、物事を単独で行ってしまった場合にその結果から守るという趣旨で、民法に明記されています。 制限行為能力者は未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人の4つが定められています。未成年を除く3者については、保護の必要性が大きい順に並べましたが、それらについて順に見てみましょう。 まず未成年者ですが、定義としては、20歳に満たない者を未成年者といいます。20歳になると成年となります。しかし婚姻をすれば成年擬制という制度によって、成年とみなされます。これは離婚してもその後も有効になります。成年擬制は法律のいろいろな場面で出てきますので、覚えておいたほうがよいです。 例えば養子をするのは成年でないとできませんが、成年擬制の場合はできます。また商法においても未成年は登録をしないと営業ができませんが、これも必要なくなります。 未成年者が契約等の法律行為を行う場合には、親権者などの法定代理人の同意が必要になります。そしてこの規定に反して行った行為については、本人または法定代理人が取り消すことができます。 例外としてはむつかしい表現になりますが、「単に利益を得、義務を免れる法律行為」は単独でできます。贈与を受けたり債務を免除されたりがこれに当たります。成年になると様々な権利義務が発生しますが、成年擬制の場合にも権利も発生しますが、反面法律で守られる場面も減るということです。権利と義務は表裏一体です。 未成年者の法定代理人(親権者等)の権限としては、代理権、同意権、取消権、追認権があります。法定代理人は未成年が行なった法律行為について、同意をしたり後から認めることによって、行った法律行為を有効なものにすることができます。 次は成年被後見人です。これは精神上の障害によって、「事理弁識(じりべんしき)能力を欠く常況」にあり、他の者の後見が必要な者のことをいいます。事理弁識能力とは物事の結果などについて認識することができ、それに対して有効な判断が出来る能力のことです。常況とはいつでもそういう状態にあるということです。一時的な場合には使われません。成年被後見人は、家庭裁判所の後見開始の審判を受けた者がなることができます。 成年被後見人の行った法律行為は取り消せます。これは成年後見人が同意した行為でも取り消すことができます。裏を返せば、成年後見人には同意権はないということです。ただし日常品の購入など、日常生活に関する行為は取り消せません。成年後見人の権限は、代理権、取消権、追認権です。 次は被保佐人について見てみます。被保佐人は、精神上の障害によって、事理弁識(じりべんしき)能力が「著しく不十分」な者で、家庭裁判所の補佐開始の審判を受けた者をいいます。原則として単独で法律行為を行うことはできますが、不動産などの重要な財産の処分などは保佐人の同意が必要になります。 同意を欠いた場合は取り消すことができます。日常品の取り扱いに関しては取り消せません。保佐人の権限は民法13条1項に書かれている項目(不動産の処分や訴訟行為、相続に関すること等)についての同意権、取消権、追認権、代理権があります。この場合の代理権についてのみ、家庭裁判所の審判を受けるかどうかは本人自身の請求か同意が必要になります。本人が拒否すれば代理権は付与されません。 最後の被補助人とはどのような者でしょうか。これは事理弁識能力が「不十分」であり、家庭裁判所の補助開始の審判を受けた者をいいます。本人自身が審判開始を請求するか、本人以外の者が請求をした場合は、本人の同意が必要になります。前2者と異なり、補助開始の審判をする場合は同時に同意見付与の審判と代理権付与の審判、この一方または両方の審判をしなければなりません。被補助人の権限ですが、代理権付与の審判を受けた特定の行為については代理権をもち、同意権付与の審判を受けた特定の行為については同意権、取消権、追認権をもちます。以上において各後見人はひとりでも複数でも構いません。法人でもなることができます。また必要な場合には後見人を監督する立場の監督人も付けることができます。また後見人は任意に契約する(任意後見人)することもできますが、任意後見の場合は代理権のみが付与され、同意権や取消権は付与することができません。 相続の場面では、共同相続人がいる場合には必ず遺産分割協議が行われます。この協議では相続人全員の参加と合意が必要となります。ですので、相続人の事理弁識能力に問題がある場合は代理人の選任が必須となる場合があります。その者がまだ代理人を有していない場合には、状況をみて家庭裁判所への選任請求をしなければなりません。また相続人に未成年がいる場合には、親との利益相反との関係から特別代理人の選任も請求しなければならないので、注意が必要です。特別代理人についてはあらためて別の記事で書いていきます。 https://www.yuigon-souzoku-gunma.com/category13/entry62.html  
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商法というもの
今日は商法のあれこれについて書いてみます。 商法は私法の一般法である、民法の特別法に位置づけられます。法律の場合は特別法が一般法に優先しますので、商法に記載のある項目は、基本的に民法に優先します。一方、商法に記載のない項目については、民法が準用されることになります。では商法で使われる用語を見ていきましょう。 まず「商人」とはどのようなものでしょうか。商法における商人とは、「自己の名をもって商行為をすることを業とする者」です。業(ぎょう)とするがポイントですが、これは営利目的で同種の業務を反復的・継続的に行うものになります。目的自体が実現されるかどうかは問われるものではなく、同種の業務を反復的・継続的に行っている事実があれば、業として行っているということになります。 商人は、自分自身が法律上の商行為から生ずる権利義務の帰属主体となりますが、必ずしも自身が現実に営業活動を行う必要はありません。他の者に命じて行わせても構いません。一方、営業主のために商行為を代理する者は、権利義務の帰属主体ではありませんので、商人には当たりません。 この商人という資格を得るための要件は、特定の営業を開始する「準備行為」をした者になります。営業自体を開始していなくても、準備行為をした時点で商人の資格は得られるものとなります。準備行為については相手方のみならず、それ以外の者にも客観的に開業準備と認められるものでなくてはなりません。 未成年者や成年後見人の代理の者が商人になる場合については、登記が必要になります。しかし未成年の場合でもその者が結婚をしている場合は、「成年擬制」といって成年と同等の立場とみなされ、登記は必要ありません。成年擬制については、婚姻が解消されても擬制が解かれることはありません。 個人の場合の商人の資格取得については以上の通りですが、会社の場合については、設立された時に商人資格を取得することとなります。商人資格を喪失する場合は、自然人は残務処理が終了した段階で商人資格を失い、会社は清算が終わった時に商人でなくなります。 次に「商行為」というものについて見てみましょう。商行為には、 ①絶対的商行為 ②営業的商行為 ③付属的商行為 があります。絶対的商行為とは営利性が強く、1回限りでも商行為として商法の適用を受けるものを言います。内容としては投機購買(1号)、投機売却(2号)、取引所においてする取引(3号)、手形その他商業証券に関する行為(4号)があります。 営業的商行為とはいわゆる一般的な商売や取引であり、営利目的で反復継続して行うものを言います。 付属的商行為とは営業のための補助的行為を言います。営業用の機器設備を購入するといった、開業のための準備行為などがこれに当たります。 では、「商業登記」について見てみましょう。 商業登記には次の9種類があります。 ①商号登記             ②未成年者登記 ③後見人登記 ④支配人登記 ⑤株式会社登記 ⑥合名会社登記 ⑦合資会社登記 ⑧合同会社登記 ⑨外国会社登記 商業登記の効力として、登記された後でなければ善意の第三者には対抗することができません。また登記の後でも第三者に正当な理由がある場合は対抗できません。なお故意または過失によるものについては不実登記といい、第三者に対抗することはできません。 次は「商号」というものについて見てみましょう。 商号とは商人が営業をするに際し、自己を表示するために用いる名称を言います。商号は商標やマークとは異なるものです。 商号には原則や制約がありますが、まず「商号選定自由の原則」というものがあります。商号は自由に決めてもいいですよという原則になりますが、会社法(もとは商法の一部でした)からは、会社の種類によって株式会社等の文字を用いなければならないとか、会社でないものは商号中に会社と誤認させる文字を使用してはならない、ということも規定されています。 また「商号単一の原則」というものもあり、ひとつの会社にはひとつの商号しか使用することはできません。個人商人の場合については「一営業一商号の原則」とされ、営業種ごとにひとつの商号が許されます。営業種を変えれば、別の商号をつけても良いよということになります。 商号の効力として、登記の有無にかかわらず、商号を選定した者に商号使用権と商号専用権を与えます。これらの効力によって、他の者が同一または類似した商号を不正に使用することは禁止され、この権利を侵害したり侵害するおそれのある者に対しては、侵害の停止または予防を請求することができます。この禁止に違反した者は100万円以下の過料に処されることとなります。 なお商号は商法だけでなく、不正競争防止法によっても守られています。 商号は譲渡することもできます。これは営業とともに譲渡するとき、または営業を廃止するときに限りすることができるものです。この譲渡については、当事者間では意思表示のみで効力が生じますが、登記をしなければ善意悪意を問わず、第三者には対抗できません。
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民法における親族について
今日は相続にも大きく関係してくる、親族というものについて書いていきます。 相続を受けることのできる者(相続人)は「相続人」である「配偶者」「子」「直系尊属」「兄弟姉妹」になりますので、親族の範囲を見た上で、これらの者がどの位置にいるのかを見てみます。 また今回成立した相続関係の民法改正において、「相続人以外の親族の貢献を考慮する方策」が加えられましたので、今まで以上に「親族」という言葉が使われる機会が多くなると思います。 https://www.yuigon-souzoku-gunma.com/category13/entry69.html 「親族」とはどのようなものを言うのでしょうか。民法における「親族」とは、次の者を言います。 ①6親等以内の血族 ②配偶者 ③3親等以内の姻族 です。 まず「血族」とは、血縁関係のある者相互間(誰から見てもお互いに)および、法的に血縁があると制度上みなされる(擬制)者相互間を言います。前者を「自然血族」、後者を「法定血族」と言います。 「自然血族関係」は出生によって生じ、死亡によって終了します。「法定血族関係」は養子縁組によって生じ、離縁や縁組みの取り消しによって終了します。 次の「配偶者」は、婚姻によって戸籍上の地位を得た者になりますが、配偶者は血族にも姻族にも属さず親等もありません。 「姻族」とは「配偶者側の血族あるいは血族の配偶者相互間」を言います。例えば配偶者の父や、本人の父の兄弟(叔父)の配偶者は姻族になります。「姻族関係」は配偶者を通じての関係になりますので、配偶者の一方の血族と他方の血族は姻族にはなりません。具体的に言うと、本人の父と配偶者の父は姻族関係には当たりません。 また姻族関係は婚姻によって生じ、離婚によって終了することになります。離婚した元配偶者の親とは知り合いではあっても、法的つながりはなくなるということです。これは離婚の場合であり、死別の場合は届出を行わない限りは姻族関係は当然には消滅しません。 では先に出てきた「親等」とはどのようなものでしょうか。 「親等」とは親族間の遠近度を比較する尺度であり、親族間の「世代」によって決まります。本人から見て「世代」がひとつ変われば1親等という数え方をします。 相続人に当てはめて見ますと、配偶者に親等はありません。子と直系尊属(父母)が1親等、孫や祖父母は2親等になります。兄弟姉妹は親を経由して下がりますので、これも2親等と数えます。本人の叔父や叔母は祖父母を経由しますので3親等、その子であるいとこは4親等になります。 親族については世代をまたがる垂直の広がりと、直系から枝分かれをした横への広がりがあります。 縦への広がりで見てみますと、本人から世代が上の者たちを「尊属」、世代が下の者たちを「卑属」と言います。ですので父は尊属、子は卑属になります。兄弟姉妹やいとこは世代が同じですので、尊属にも卑属にも当たりません。 横への広がりで見てみますと、本人から垂直に遡ることのできる父母や祖父母や曽祖父母、あるいは垂直に下がることのできる子や孫やひ孫などは「直系」になります。 縦横併せてマトリックスで見ますと、上の世代を「直系尊属」、下の世代を「直系卑属」と言います。垂直から枝分かれをした叔父叔母などは「傍系」と言います。これも上の世代を「傍系尊属」、下の世代を「傍系卑属」と言います。 整理してみますと、血族には直系血族と傍系血族があり、直系血族には直系尊属と直系卑属があります。また傍系血族にも傍系存続と傍系卑属があることになります。姻族にも同様の、直系傍系、尊属卑属の関係があります。 改正民法の特別寄与に関しては、具体的に権利の範囲にあるかは事案ごとに確認を要するとことになります。  
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今日は民法における監督者や使用者の責任について書いていきます。 今日確認するのは、 1.責任無能力者の監督義務者等の責任 2.使用者の責任 3.工作物責任 4.注文者の責任 5.動物占有者の責任 についてです。ではそれぞれ見ていきましょう。 まず1の「監督義務者の責任」についてです。前回の不法行為の記事でも触れました、①の未成年者等の責任無能力者ですが、これらの者は、他人に違法な行為で損害を与えても責任を負わない場合があります。しかしそれでは被害者の救済が図られませんので、被害者救済の手段として責任無能力者を監督すべき「法定義務」のある、監督義務者や代理監督者が責任を負う場合があります。 監督義務者等は、監督を怠らなかったことを立証できない限り、責任を負うとされています。すぐ近くで万全の体制で監督をしていても不測の自体で損害が生じてしまった時などは、監督を怠らなかったことを証明すれば責任は問われないということになります。 ここで未成年である責任無能力者とはだいたい12才未満の者とされていますので、12才以上の責任能力を有する未成年の場合には、監督義務者は原則責任を負いません。しかし義務違反と未成年の不法行為に相当因果関係が認められる時は不法責任を負う場合があります。 次に2の「使用者責任」についてです。「使用者責任」とは、被用者(使用されている者)がその使用者の事業を執行する上で、他者に違法な損害を与えた場合の責任を言います。使用者責任成立の要件は次のとおりです。 ①使用者と被用者との間に、指揮監督などの使用関係があること ②被用者の加害が事業の執行についてなされること ③被用者が不法行為の一般的成立要件を備えていること ④使用者が専任・監督上の注意義務を尽くしていないこと です。 ②の事業執行についてとは、具体例を挙げますと、タクシーや運送業の運転手が仕事中に事故を起こした場合などです。ただここで問題となるのは、どこまでの範囲が業務執行に当たるのかということです。運行中によそ見をして事故を起こしたなどの場合がこれに当たりますが、そのような場合のみならずもう少し広い概念で、客観的に見て職務行為の範囲内だと認められる場合が該当するとされています。 なお業務中の被用者の暴力行為については、その損害が業務を行うことがきっかけとなり、またその業務と密接な関連性を有すると認められるか、によって判断されます。 今述べたように、使用者はその使用者責任によって被害者に賠償を行いますが、その場合に直接の加害者は蚊帳の外かというとそうではありません。賠償をした使用者は、今度は加害者である被用者に行った賠償について求償することができます。ただし求償する内容についてはすべてをできるわけではなく、所々の事情を鑑みて、信義則上相当と認められる範囲に限定されます。 被用者が第三者と共同で不法行為を行い、その賠償を使用者がした場合には、使用者は被用者のみならず第三者にも求償をすることができます。この場合は被用者と第三者の過失割合によって求償を行ないます。 3の「工作物責任」とは、土地の工作物の設置や保存(維持管理)について適正に行う責任を言います。この設置や保存に「瑕疵」があり、そのために他人に損害を与えた場合はまずその工作物の「占有者」が責任を負います。 この占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたことを証明したときは、「所有者」が責任を負うこととなります。 ここで言う「土地の工作物」とは、工事などによって土地に固定して作られたものをいい、建物や橋、鉄道などがこれに当たります。工作物の「瑕疵」とは、工作物が通常有すべき安全性を欠いていることをいいます。その物自体の性能などが安全性を欠いている場合だけでなく、その物に係る安全設備を欠いているために危険な状態を生じさせている場合も瑕疵に該当します。 占有者は必要な注意を払ったことを証明すれば免責されると書きましたが、最終的な所有者の責任は免責が認められない「無過失責任」となります。 4の請負契約などの「注文者の責任」ですが、注文者がした指図や自己の過失がない限りは、原則注文者については第三者に損害を与えても賠償責任は負いません。 最後に「動物占有者の責任」についてです。ペットの買主などを言いますが、この動物を管理する者は、動物が他人に与えた損害については原則賠償する責任を負います。ただしこの場合も、占有者が相当の注意をもって管理したことを立証すれば免責される場合もあります。
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法定相続証明制度について
今日は相続に関して、法定相続情報証明制度について書いていきます。平成29年5月29日から開始された制度です。 相続は被相続人の死亡によって開始しますが、遺言書があった場合は基本それに基づいて相続が執行されます。遺言書がなかった場合は相続人全員で遺産分割協議を行ない、それぞれの配分財産を決めます。相続財産はだいたい現金預貯金や不動産といった形をとりますので、当然管理も預貯金であれば金融機関、不動産であれば法務局が行うこととなります。 契約者や名義人は亡くなったとはいっても被相続人ですので、仮に相続人であるからといって、簡単に払い戻しや手続きには応じてくれません。金融機関であれば被相続人の死亡したことを通知した時点をもって口座が凍結され、たとえ相続人である子が葬儀費用が必要だといった場合でも払い戻しには応じてくれません。 この場合は葬儀費用はとりあえず自分たちで別途捻出し、相続関係を確認できるすべての者の戸籍謄本(被相続人の出生からさかのぼったものが必要です。相続関係一覧表にしてあることが望ましいです)や財産目録等を提出し、種々の手続きを行って初めて相続の払い戻しに応じてもらえます。 法務局においても、相続後の土地や家屋についての名義変更を行うためには、同様の戸籍すべてが必要になります。また戸籍が必要である金融機関等が複数ある場合には、戸籍謄本をその数分取得するか、あるいは1機関ごとに提出と返還を繰り返すことになります。 これらの作業を相続人が行うことは非常に煩雑で手間のかかることになりますので、土地の名義変更や登録を行わない者が出てきます。相続後に登記をしないことについては法律で罰則が設けられていないことから、名義人の不明な土地や家屋が散在することとなり、いまや社会問題にもなっています。 法定相続情報証明制度とはそういう戸籍の提出をまとめて出せるようにし、提出と返還の作業を繰り返さなくても良いように設けられた制度です。具体的には、戸籍一式を揃えて法定情報一覧図を作成し、法務局からその一覧図の写をもらいます。法務局や他の金融機関でも、その一覧図の写の提出のみで手続きが行えるというものです。 相続人や代理人等が法務局に申請を行いますが、申請できる法務局は被相続人の本籍地か最後の住所地にある法務局、あるいは請求人の住所地にある法務局か被相続人名義の不動産がある場合はその所在地の法務局になります。 メリットは相続人本人が申請を行う場合には、それなりに手数が省けるということになります。しかしまだ開始後間もない制度であるため、現時点では使い勝手が悪い点もあります。たとえば再交付が必要になった場合では、申請人本人によって申請をした法務局に申請を行わなくてはならない点です。 他の相続人が行う場合には、都度申請者の委任状が必要になります。またこの制度は戸籍謄本の情報をまとめる目的だけであるため、相続放棄や欠格等の情報は網羅されていません。それらの情報が必要な場合は、結局別の資料を用意することになります。 もっとも前述の提出と返却の件ですが、基本的に行政書士が銀行に代理で手続きを行っても、提出した書類はその場でコピーし返却されますので、実務上はあえてこの制度を使うメリットは少ないと考えます。大元の目的が相続不動産の登記促進であるならば、いずれにしても法律面での規制等、抜本的な方策が必要なんでしょう。
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公正証書遺言の作成方法
今日は公正証書遺言について書いていきます。 まず「公正証書遺言」ます。の作成方法です。最終的には公正証書遺言は「公証役場」で作成することになりそこに向かっての手順ということになります。もちろん行政書士を介せずご自分おひとりで原案を作成することもできます。その場合でも最終的には公証人が関与しますので、法的効果が欠如することはありませんし、内容的な不備も排除されます。保管の問題もクリアされます。 しかし公証人自体は書かれている内容自体に関与するものではありませんので、例えば「財産のすべてを愛人に与える」などという作成できないもの(この場合は公序良俗に反する)以外は作成されます。 また公証人によっては遺留分を考慮しない遺言、例えば長男に財産の3分の2をあげて次男には3分の1、長女には相続しないという内容の遺言書でも作成されてしまう場合があります。ですのでここでも作成にあたっては、行政書士に相談されて作成されることをお勧めします。 今回の記事においては、行政書士に依頼された場合の段取りにしたがって作成方法を書いていきます。 まず相談者様から作成代行の依頼があった場合は、遺言者様から契約書をいただくくとともに、署名捺印の委任状をいただきます。印は実印で捺印していただきます。また併せて印鑑登録証明書もいただきます。 公正証書遺言を作成するためには、相続人を調査し、相続財産を調査します。相続人については大方の場合は配偶者と子供などの知れている相続人になりますが、より確実な遺言書とするために、遺言者の出生から現在までの戸籍謄本および、推定相続人の戸籍謄本を取得して「相続関係説明図」を作成します。 なお公証役場には遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本があれば問題ありませんので、「相続関係説明図」を作成しない場合は、最低限これがあれば足ります。戸籍謄本は行政書士が「職務上請求書」というものを使用して、役所より取得します。 次は「財産目録」を作成します。遺言者から不動産や預貯金、証券類などの財産を申告してもらい作成します。遺留分の計算等でこの時点の財産額を知る必要がありますので、不動産の財産額について確認します。 この時点で「不動産の全部事項証明書」と念のために公図等も取得しておきます。併せて価格は路線価等で再確認します。預貯金については直近の通帳をコピーし、証券類は証書等を確認します。動産類は自動車の車検証の写や貴金属等の鑑定書なども用意します。 この際に忘れてならないのは、負債についてもきちんと確認することです。プラスの財産は遺言書とおりに相続されますが、負債については法定相続分とおりに相続されます。仮にプラスの財産よりマイナスの財産の方が多かった場合は相続放棄になりかねませんので、注意が必要です。以上から「財産目録」を作成します。 これらをもとに遺言書の文案を決めていきます。まず相続人を決め、遺贈等を決めます。それから各相続人の相続分を決めていきます。相続財産の配分については当然遺言者の判断になりますが、遺留分等についても配慮した方がトラブルは回避することができます。 不動産については明確に記載しますが、預貯金については特定の額を記載せず3分の1づつでも良いですし、1000万円を長男に、残りを次男に等の表現でも構いません。財産目録に記載されない細々とした動産等もありますので、遺言者所有のその他すべての財産を長男○○に相続させるの条項も記載します。 あとは墓や仏壇を管理していく「祭祀主催者」や「遺言執行者」等を記載していきます。祭祀主催者の条項を加えた場合は、公証人より別途手数料が加算されますので注意してください。 最後に「付言」を記します。文案が作成できたら依頼者と確認を取り、加筆修正の後文案を合意します。それから行政書士が公証人と文案の打ち合わせを行い、必要書類を提出します。公証人から文案と費用が提出されるので、依頼者と最終確認を行ないます。 合意ができたら公証役場へ出向く日を決め、当日は行政書士と遺言者本人、もうひとりの証人とともに公正証書遺言を作成します。当日は次の段取りで公正証書遺言が作成されていきます。 ①公証人が遺言者本人と証人2名(当職ともう1名の証人)の氏名・生年月日・住所・職業を質問し、遺言者と証人が本人確認ができる書類を提示します。 ②公証人が遺言者に遺言の内容を確認します。 ③公証人が遺言者と証人に、遺言書を配布し口述します。 ④遺言者と証人が遺言書の内容を確認し、公正証書遺言に各自が署名捺印をします。この際は遺言者は実印を用意します。証人は認印でも構いません。 ⑤公証人が署名捺印をします。 以上で公正証書遺言の完成です。 ⑥遺言者が公証役場に手数料を現金で支払います。 ⑦公正証書遺言の原本は公証役場に保管され、遺言執行者に「正本」が、遺言者に「謄本」が渡されます。 「正本」「謄本」の保管には注意が必要ですが、銀行の貸金庫に預けてしまうと開けるには相続人全員の署名捺印が必要になりますので、注意が必要です。 公正証書遺言であってもいつでも撤回をすることができます。 最後に作成する際の言語ですが、自筆証書遺言や秘密証書遺言は作成する言語は外国語でも構いませんが、公正証書遺言は日本語で作成しなければなりません。
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民法 物権変動について
今日は民法の中の物権変動というものについて書いてみます。 物権とは先日の記事に書きましたが、民法では債権並ぶ財産権です。「物」を支配する排他的な権利であり、代表的なものには所有権があります。 物権は先に対抗要件を具備したものが優先となります。また物権は債権に優先しますが、例外として対抗要件を備えた不動産賃借権は物権と同様の扱いになります。 物権には占有権が発生しますので、占有を阻害された場合にはこれを取り除く権利が発生します。これを物権的請求権と言いますが、具体的には次の3つがあります。 ①返還請求権であり、占有回収の訴えにより目的物の返還を請求するもの ②妨害排除請求権であり、占有保持の訴えにより妨害の除去や妨害行為の禁止等を求めるもの ③妨害予防請求権であり、占有保全の訴えにより将来の妨害の原因を除去して未然に防ぐもの です。物権変動とは、物権の発生や変更、消滅のことを言います。変動の原因は当事者の意思表示のみによるものであり、 契約等は必要ありません。また時効や相続によっても変動します。 変動の時期は当事者双方の意思表示が合致した時点であり、その時点をもって権利が移転します。 物には特定物(NO999のこの車)と不特定物(お店にあるレクサス)がありますが、特定物の売買における変動の時期は、特約がなければ契約と同時に所有権が移転し、特約があれば特約で定めた時期に移転します。不特定物の売買における変動の時期は、目的物が特定したときになります。 では次に不動産物件の変動を見てみましょう。不動産は物権変動をしても、登記がなければ第三者には対抗できません。登記とは不動産における公示のことです。公示とはそれをすることによって、その事実を公衆一般に知らしめることです。ですので不動産登記制度は、その土地の所有者や債権者を公にする制度になります。 不動産の所有権を主張するものが複数いる場合では(二重譲渡の場合等)、その優劣は登記の先後によります。不動産は登記を行わないと、完全に排他性のある物件を取得できないことになります。ここでこの不動産の物権変動の条項に出てくる用語について触れておきます。 まず「第三者」とは、これは本試験においても重要な事項ですが、「当事者もしくはその包括承継人以外の者で、登記の欠缺(けんけつ)を主張するにつき正当な利益を有する者」のことです。この場合の第三者には単純悪意者は含みますが、背信的悪意者は除外されます。 「背信的悪意者」とは物権変動の事実を知っており、かつ登記を備えていない者に対してその不存在を主張することが信義に反する者のことです。具体的な例としては、AさんがB土地を最初に購入しかつ未登記であった場合に、それをネタにAさんに高値で売る目的でB土地を二重に購入したCさんがこれに当たります、この者に対しては登記なくして対抗できます。
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遺産分割協議でのトラブルメーカー
前回は遺産分割協議について触れましたが、相続人が少人数で関係も良好な場合は大きな問題になることはそれほど多くはありません。各自がそれぞれの立場も理解できており、またその後に直系の相続も発生することも想定できるからです。 しかし相続人同士が仲が良くなかったり、金銭関係が良好でない方が居る場合は途端に状況が変わってきます。また相続人が多かったり、相続人が兄弟のみで代襲相続が発生している場合などは特に問題がある場合が多くなります。よく「相続」は「争族」だとも言われますが、くれぐれも「争族」にならないように気をつけなければなりません。 多くの方は「うちに限って心配はない」と言われますが、そんな場面ばかりではないようです。親子関係、兄弟姉妹の関係は悪くはなくても、その方々の身内や関係者による口出しがある場合があります。またちょっとした言葉がきっかけで、一気にかたくなになってしまわれる方もいらっしゃいます。 相続というものは場面も場面でありますし、金額の多い少ないにかかわらず無条件でお金がもらえる機会になります。人情として気にならないはずはありません。通常は相続人が複数いらっしゃる場合は、相続分の一番多い方(配偶者など)や、一番しっかりされている方が代表相続人になられます。この方がしっかり方向性を決め、意見をまとめていきませんととんでもないことになります。協議がまとまらず、事案が法定にもちこまれることになりかねません。 遺産分割協議は、相続人全員の合意がないとまとまりません。たとえ相続分の少ない方であっても、その方が合意しない限りは協議は成立しません。ですので代表相続人の方は仲の良い方だけをまとめるのではなく、対応しにくいとんでもない共同相続人にも事前にしっかり皆さんの意向を説明し、協議前に大方の合意にこぎ着けていく必要があります。 そのためにも事前にしっかりとした遺産分割協議書案を作成し、当日は全員の実印をもらえるような段取りで協議に臨みましょう。トラブルメーカーはどこにでもいます。そういう方も直視して、期限内に円満な相続を終えましょう。
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相続 民法改正案について
今日朝の天気予報でGW後半の天気について話していました。1週間前には後半は荒れる見込みだと行っていたので、一安心ですね。土日休みの方は羽を伸ばして、サービス業や小売業の方は書き入れ時。世間全般、天気の効果は大きいですね。 ここのところ天気予報がよく当たるなと感じていますが、1週間程度先の予報では、雨予報が晴れに変わるケースが多いかなとも感じています。天気予報の精度の問題ではなく天候が落ち着いている年ということなんでしょうが、ここ3ヶ月では群馬の雨量も平年を若干下回っていますね。夏も暑いようですし、また館林の話題も多くなるでしょう。 GW後半は実家の静岡に帰ります。昔は子供4人とワイワイ帰っていましたが、世代も引き継がれてしまいましたね。日曜日にお土産のハラダのラスクを買い込んできます。 今日は2月に法制審議会より法務大臣に答申された、相続分野に関する民法改正について書いてみます。 民法については昨年120年ぶりに契約や債権関係の改正法が国会で成立し、2020年4月1日に施行されます。相続分野についてはこれまでも社会情勢の変化に即して改正が行われ、配偶者や非嫡出子の法定相続分の割合等が改められてきましたが、今回改正案のポイントは次のとおりです。 ①配偶者の居住権を保護するための方策 ②遺産分割に関する見直し等 ③遺言制度に関する見直し ④遺留分制度に関する見直し ⑤相続の効力等(権利及び義務の承継等)に関する見直し ⑥相続人以外の者の貢献を考慮するための方策 まず配偶者(以下妻とします)の居住権を保護するための方策についてみてみます。 現行法では被相続人の死亡後に被相続人名義の自宅に妻のみが居住していた場合でも、子がいた場合には妻の法定相続分は2分の1であり、仮に現金預金等の相続分が少なかった場合には、2分の1を超えた分の自宅の評価額分を子に渡さなくてはならないケースが出てきます。 妻と子の折り合いが悪かったりして子から請求された場合には、現実に妻が自宅を処分して相当分を子に渡すというケースもあるようです。 例として妻と子がひとりいるケースです。自宅の評価額が2000万円で預貯金が1000万円、相続額の合計が3000万円とします。この場合は妻も子も法定相続分は1500万円となります。預貯金を子がすべて相続しても500万円足りませんので、この場合は残りの500万円を子が妻に主張することができます。妻としてはやむをえず自宅を処分して、その分を子に渡すこととなります。これでは被相続人の死亡により妻が困窮する事態に陥ってしまいます。 今回の改正案では超高齢社会を見据えて、高齢の妻の生活や住居を確保するための内容が盛り込まれています。 まず要項に明記されたのが「配偶者居住権」です。文字通り妻が自宅に住み続けることのできる権利であり、所有権とは異なって売買や譲渡はできません。居住権の評価額は住む期間によって決まり、居住期間は一定期間または亡くなるまでのいずれかの期間で、子との協議で決めます。 前述のケースで妻の居住権の評価額が1000万円だったとしますと、妻は法定相続分1500万円のうち1000万円分の居住権と残り500万円分の預貯金を相続することとなります。子は自宅の評価額2000万円から居住権を引いた1000万円分の所有権と、預貯金500万円を相続することとなります。妻が住んでいるあいだの必要経費は妻が負担しますが、固定資産等の税制についてはまだ決まっていません。 次の遺産分割に関する見直し等についてですが、現行法では妻が自宅等を生前贈与されていたとしても、自宅も遺産分割の対象となってしまいます。ですので前述のケース同様となります。 要綱では結婚から20年以上の夫婦に限り、自宅が遺産分割の対象から除外されることになります。前述のケースでは遺産分割の対象となるのは預貯金1000万円のみとなり、妻と子にそれぞれ2分の1づつが相続されます。これも長年連れ添った妻への配慮であり、高齢で再婚した場合等と区別するものです。期間は延期間であって離婚を挟んでも問題はありませんが、事実婚や同性婚は対象となりません。 3つめは遺言制度に関する見直しです。昨今は自筆証書遺言への関心も高まってきているようですが、現行民法ではすべての文言が自署である必要があります。改正案では自筆証書遺言に関しすべてが自署である必要はなく、財産目録等はパソコン作成のものを添付することでも可能となります。ただし各ページへの署名押印は必要となります。 また自筆証書遺言の保管制度が新たに創設され、遺言者は自筆証書遺言を各地の法務局に保管するよう申請することができ、死亡後は相続人等が保管先法務局に対して遺言書の閲覧請求等をすることができます。その際法務局は、他の相続人等に対しては通知をだすこととなります。 法務局が保管していた自筆証書遺言は検認を要しません。ただ公正証書遺言と異なり、法務局保管の自筆証書遺言が必ずしも最終最新のものではないおそれは残りますので、探索や確認は必要となります。 4つめは遺留分制度に関する見直しです。遺留分減殺請求権の効力については、受遺者等に対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができるようになり、権利行使により遺留分侵害額に相当する金銭債権が発生するという考え方が採用されます。 また遺留分減殺請求の対象となる遺贈・贈与が複数存在する場合については現行法の規定に加えて、減殺の割合についてはこれまで解釈によっていたものが、今回案では明文化されています。遺留分の算定方法については現行法の相続開始の1年前にした贈与に加え、相続人贈与は相続開始前の10年間にされたものが算入対象となります。 5つめは相続の効力等(権利及び義務の承継等)に関する見直しについてです。これは遺言などで法定相続分を超えて相続した不動産等は、登記をしなければ第三者に権利を主張できないというものです。 最後に相続人以外の者の貢献を考慮するための方策についてです。現行法では寄与分については相続人にのみ認められていましたが、改正案では相続人以外の被相続人の親族が被相続人の介護をしていた場合、一定の要件を満たせば相続人に金銭請求できる こととなります。 被相続人の親族とは、6親等以内の血族および3親等以内の血族の配偶者が対象となります。 https://www.yuigon-souzoku-gunma.com/
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民法 時効について
相続の際の後見制度 制限行為能力者について
商法というもの
民法における親族について
民法上の使用者責任
法定相続証明制度について
公正証書遺言の作成方法
民法 物権変動について
遺産分割協議でのトラブルメーカー
相続 民法改正案について

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