民法 保証債務について

今日は保証債務について書いていきます。

「保証」とは他人が負った債務が履行されない場合に、これに代って債務を履行する契約を言います。他人の債務を保証した者を「保証人」といい、保証される他人の債務を「主たる債務」といいます。また保証人の負う債務は「保証債務」といいます。

保証債務は債権者と保証人との保証契約によって成立しますが、これは書面でしなければ効力は生じません。保証債務には次の3つの性質があります。

①付従性

②随伴性

③補充性

になります。

「付従性」とはその債務に付加されている性質を言います。主債務がなければ保証債務は成立せず、主債務が消滅すればそれに応じて保証債務も消滅することになります。保証債務は、主たる債務より重くすることはできません。

「随伴性」とは付き従う性質であり、主たる債務が移転した際には保証債務も一緒に移転します。例えば債権譲渡などによって債権がAからBに移転した場合には、保証も移転するということです。

「補充性」とは足りないことを補う性質であり、主たる債務が履行されなかった時に初めて保証人の履行責任が発生することを言います。補充すべき責任とは言っても、保証人は無条件に責任を負うわけではなく、弁済する前に2つの権利を行使することができます。

これは催告の抗弁権と検索の抗弁権というものになります。

「催告の抗弁権」とは、保証人に請求する前に、まず主債務者に請求しなさいと言える権利です。あくまでもまず弁済すべきは主債務者であると主張できます。

「検索の抗弁権」とは、保証人が主債務者に弁済の資力がありかつその執行が容易であることを証明した場合に、主債務者に執行させる権利を言います。また主たる債務者が債権者に対する反対債務を有している場合には、保証人は相殺をもって債権者からの請求に対抗することができます。

次に保証債務の内容などを見てみましょう。

保証債務は、債権者と保証人との間での書面による保証契約によって成立します。ここに債務者自身は関与しません。

保証人になる資格に制限はありませんが、債務者が法律や契約によって立てる保証人の場合は、行為能力者であることと、弁済する資力があることが必要になります。

保証債務は主債務の元本だけでなく、利息や損害賠償金その他の、債務に従たるものすべてを含みます。ですので保証人が弁済する場合もこれらを含めるものとなります。

主債務と保証債務の関係性を見てみますと、主債務に生じた事由はすべて保証債務に影響を及ぼします。一方保証債務に生じた事由は、主債務を消滅させる行為(全額返済)以外は主債務に影響を及ぼしません。

では、主債務者が弁済を履行できずに保証人が弁済した場合には、主債務者の義務はなくなってしまうのでしょうか。この場合には債権者から保証人に請求する権利が移り、保証人が主たる債務者に対して「求償権」を有することとなります。

「保証債務」には「連帯保証」という制度があります。これは非常に怖い制度でありますが、実は保証契約の多くは連帯保証だったりしますので、保証人になる際にはくれぐれもその内容を精査する必要があります。

「連帯保証」とは、保証人が主たる債務者と連帯して保証債務を負担することを言いますが、連帯保証人には催告の抗弁権も検索の抗弁権もなく、債権者から請求された場合には必ず、支払いの義務が生じることとなります。

連帯保証人の多くは、主たる債務者の経済状況を把握せずに安易に契約を結ぶ場合が多いことから、今回の改正民法においては情報提供の項目が多く付け加えられています。

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民法 時効について
今日は時効について書いてみます。時効というと刑事ドラマなどでよく耳にする言葉ですが、法律では「ある一定の事実状態が一定の期間継続した場合に、その事実の法律上の根拠に合致するかどうかを問わずに、その事実状態を尊重して権利を認める」制度を言います。 時間の経過で証拠能力が希薄になる一方、その事実が継続している場合はそれ自体が重いということを尊重して制定された条項です。 では民法における「時効」について見てみましょう。時効完成の要件は、一定の事実状態が一定の期間継続することです。また時効が完成しその利益を得るためには、その意思表示をしなくてはなりません。「時効の援用(えんよう)」と呼ばれるものです。 時効の援用は時効の利益を受ける旨の意思表示であり、援用して時効の利益を受けるかどうかは個人の意思になります。時効を放棄することもできますが、時効が完成する前にあらかじめ放棄を行うことはできません。時効が完成してから放棄することになります。また放棄ではありませんが、時効が完成してもそれを知らずに債務を承認してしまった場合などは、もう援用をすることはできません。 時効の利益を受ける者は援用権者である当事者に限られますが、判例ではその者を「時効に因り直接に利益を受くべき者」としています。時効の効果は遡及効といって、最初の起算点にさかのぼって効果を発生することになります。 民事上の時効には一定の期間を経ることによって権利を取得する「取得時効」と、一定の期間を経ることによって権利を失う「消滅時効」があります。ではまず取得時効から見てみましょう。 「取得時効」とは、物の占有の継続に対して真実の権利を認める制度になります。他人の物であっても一定の期間占有をしていれば、その事実を尊重して権利が移転するという制度です。取得時効の要件は次の5つになります。 ①「他人の物」を占有していること(場合によっては自分の物でも可とした判例もあります) ②所有の意思を持って占有していること(自主占有といいます) ③平穏かつ公然と占有していること ④一定期間占有を継続していること ⑤時効援用の意思表示がされること になります。なお④の期間は、条件によって変わってきます。その物(不動産も含みます)の占有を開始した時に善意無過失であった場合は10年です。善意無過失でない場合(悪意または有過失)は20年になります。 善意無過失の判定はあくまでも最初の占有者が占有を開始した時点が起算点になりますので、前の占有者から占有を引き継いだ場合も(占有の事実が重要となりますので、占有する者が変わっても問題ありません)、引き継いだ時の善意無過失が問題になるわけではありません。最初の占有者が善意無過失であれば、取得時効の条件は10年になります。 なお②③の所有の意思についてですが、これは「占有者は所有の意志をもって、善意で、平穏にかつ公然と占有をするものと推定する」(占有の推定)とされています。ですので占有の事実があれば、所有の意思は推定されるものとされています。 時効取得の対象は、「所有権」と「所有権以外の財産権」になります。所有権以外とは、地上権・永小作権・地役権などです。一般債権の時効取得はできませんが、不動産における賃貸借権は例外として、要件が揃えば時効取得できます。 では次にもうひとつの「消滅時効」について見てみましょう。消滅時効とは、一定期間の経過によって債権などの権利が消滅してしまう制度を言います。消滅時効の要件としては次の4つがあります。 ①権利不行使が一定期間継続すること ②法定中断のないこと ③時効援用の意思表示をすること です。①の期間については、債権については10年で消滅し、債権または所有権以外の財産権は20年で消滅します。商法などに規定されている商事債権などの場合はより短い期間で消滅します。なお所有権については取得時効の対象とはなりますが、消滅時効の対象にはなりません。 時効については「中断」という制度も設けられています。時効が継続している場合であっても、 ①請求 ②差し押さえ、仮差し押さえ、仮処分 ③承認(債権者に権利があることを認めること) によって時効の進行が止まり、そこが起算点となってまた時効の進行が始まります。中断の効力は基本的には当事者およびその承継人に対してのみ生じますが、保証人や物上保証人に生じる場合もあります。 中断自由の請求については裁判上で行ないます。もしそこで却下や取り下げがあった場合は、中断の効力は失われます。なお裁判外で行う場合は「催告」と呼ばれ内容証明郵便等でされますが、その場合の効力は時効を停止させるにとどまり、中断の効果を得るためにはそこから6ヶ月以内に裁判上の請求を行う必要があります。消滅時効に関しては2020年施行の改正民法で見直しがなされていますので、確認ください。 https://www.gyosei-suzuki-office.com/category8/category10/entry36.html https://kouseishousho-gunma.com/category7/entry18.html  
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婚姻の無効や解消について
今日は婚姻の無効や解消について書いていきます。 まず婚姻の解消についてです。「婚姻の解消」理由には、 ①離婚 ②死亡・失踪宣告による解消 があります。 「離婚」については「協議上の離婚」と「裁判上の離婚」がありますが、まず協議上の離婚について見てみましょう。 「協議上の離婚」とは、夫婦お互いの協議によって成立する離婚になります。この場合には夫婦ともに離婚する意思があること(離婚意思の合致)と、離婚の届出を行うことが必要とされています。なお判例ではこの離婚意思の合致について、離婚そのものをする意思は必要とせず、届出をする意思のみで足りるとしています。 また離婚の際に未成年の子がいる場合は、必ず一方を「親権者」にしなければなりません。 離婚そのものをする意思であれ、届出をする意思のみであれ、それらを含む離婚意思のない者の離婚は当然に無効となります。「意思のない離婚」とは、詐欺または強迫によって協議離婚がなされる場合であり、この場合は取り消しを請求することができます。この取消権は、詐欺を見つけた時または強迫から免れた時点から3ヶ月で消滅します。また追認によっても消滅することになります。 協議上の離婚が成立しなかった場合は「裁判上の離婚」になります。離婚の場合は原則、訴訟を起こす前に家庭裁判所に調停の申し立てを行い、調停離婚が成立しない場合に裁判上の離婚に向かいます。 離婚の訴えを提起する場合には、次の理由が必要になります。 ①配偶者の不貞行為 ②悪意の遺棄 ③3年以上の生死不明 ④回復の見込みのない強度の精神病 ⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由 です。 裁判所はそれらの事情を考慮して、離婚の訴えを認めるか棄却します。なお②の悪意の遺棄とは、理由もないのに同居を拒んだり家計費を差し入れないなど、積極的な意思で夫婦関係を行わないことを言います。 以上、協議上であれ裁判上であれ、離婚が成立した場合には次の効果がもたらされます。 ①身分上の効果 ②子の処遇 ③財産上の効果 です。 「身分上の効果」により、婚姻関係とそれに伴う姻族関係が消滅します。また姓(氏)を改めた者については、「婚氏続称の届出」をしない場合は、結婚前の姓に戻ります。 「子の処遇」についてはまず、その子の嫡出子たる身分には影響は及ぼしません。また未成年の子の場合は親権者が決められます。 「財産上の効果」としては、一方が他方に財産分与を請求することができます。その額や方法は当事者の協議によりますが、協議が成立しない場合は離婚から2年以内であれば家庭裁判所にも処分を請求できます。 次は婚姻の無効と取り消しについて見てみましょう。無効と取り消しはその効果や影響が異なりますので、婚姻の瑕疵の程度に応じて規定がなされています。 まず、より影響の大きい無効について見てみましょう。 「無効」とされた場合は、婚姻が最初から無効であるとされ、夫婦としての効果は何ら生じません。婚姻の無効は、次の場合に限りなされます。 ①婚姻意思を欠く場合 ②届出を欠く場合 です。 無効は請求がなされて成立しますが、無効を請求することができる者は当事者だけでなく、利害関係者は誰でも主張することができます。これは当事者が死亡していても主張することができます。 次の「取り消し」ですが、これは無効よりも限定的な効果であり、取り消しの効果は婚姻成立時までは遡及しません。取り消しまでの期間は婚姻が有効とされ、その期間は財産分与などの財産関係も適用されます。 婚姻の取り消しを請求できる者は、当事者およびその親族、また検察官になります。 無効は当事者の死亡後も請求できますが、取り消しでは当事者の死亡後の請求は当事者や親族のみが行え、検察官は請求をすることはできません。また重婚違反の場合は当事者の配偶者および前配偶者も請求できます。これも失踪宣告の記事で確認ください。 再婚禁止期間の違反については親子関係の証明も関わりますので、前夫についても取り消しを請求することができます。詐欺・強迫の場合は当事者のみの請求となります。
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民法 債務不履行について
今回は債務不履行について書いていきます。 債務不履行とは債務者が、正当な理由がないにもかかわらず「債務の本旨」に従った履行を行わないことを言います。債務の本旨とは、契約で定められた債務の内容を言います。 債務不履行があった場合は、債権者は債務者に損害賠償請求をすることができます。債務不履行には、 ①履行遅滞 ②履行不能 ③不完全履行 がありますが、まず履行遅滞というものから見ていきましょう。 履行遅滞とは字のごとく、正当な理由がないのに履行が遅れることです。その要件としては次のものが挙げられます。 ①履行が可能な状況であること ②履行期を徒過(とか:何もしないで決められた期間が過ぎてしまうことです)したこと ③履行遅滞が債務者の責任で発生したものであること ④履行遅滞が違法(正当化する理由がないことです)であること です。③の債務者の責任についてですが、これは債務者本人だけでなく、履行補助者(同居する家族や業者の使用人等)の故意や過失も含まれます。例えば家族の者が重要な書類を受け取っていたのに債務者に渡し忘れ、履行が遅れた場合などです。 次の履行不能とはどのような状況を言うのでしょうか。履行不能の成立要件としては、 ①契約成立後に履行が不能になったこと ②債務者の責任によって履行が不能になったこと ③履行不能が違法であること です。不能であるかどうかは、社会通念上妥当と思われるもので判断されます。上記要件のとおり、債務者の責任で契約の内容が履行できなくなってしまった状態ということです。 では3つめの不完全履行とはどのようなものでしょうか。これも成立要件を挙げると、 ①履行はとりあえずなされているが、その状況が不完全であること ②債務者の責任によって履行が不完全になったこと ③不完全履行が違法であること です。不完全履行は、履行が途中で中断されてしまった状況になります。また履行はすべて終えたんだけれども、その内容に不備があって完全な履行とは言えない状況も不完全履行に当たります。 注文の品をすべて納品したんだけれど、その一部が不良品であった場合などがこれに当たります。 これら債務不履行があった場合の責任については次回書いていきます。
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民法 請負契約について
自筆証書遺言について追記
相続 失踪宣告
商法というもの
民法 所有権について
相続分野の民法一部改正 7月1日施行
相続の際の後見制度 制限行為能力者について
民法 時効について
婚姻の無効や解消について
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