今日は本題の普通方式の遺言について書いていきます。通常作成される遺言のほとんどはこの普通方式になります。
普通方式には「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類がありますが、公正証書遺言は平成29年には110,191件作成されており、年々増加しています。それに対し秘密証書遺言の作成は、わずか130件にとどまります。
一方、自筆証書遺言については裁判所が受理した「検認」数でしか確認することはできませんが(2年以内に法務局による保管制度が開始されます)、その数は16,708件にとどまります。
新規作成された件数と相続が開始した件数とで比較対象が異なりますが、昨今は遺言の役割が理解され始め、手近な自筆証書遺言が作成される機会が相当増加していると思われます。すでに公正証書遺言の作成数を上回っているとさえ言われている中で、自筆証書遺言による方式の不備や内容の偏りや不明確さによるトラブルも危惧されています。
先に触れてしまいましたが、それではそれぞれの種類について、作成方法やメリット・デメリットについて見ていきましょう。
先に書きました、民法に規定される「普通方式」の遺言については、3種類の方式が定められています。各方式、厳密な作成ルールが規定されており、内容に不備があると法的効果が得られないことになります。3種類の方式は、①自筆証書遺言(民法968条)②公正証書遺言(同969条)③秘密証書遺言(同970条)になります。
まず①の自筆証書遺言について見ていきましょう。
「自筆証書遺言」の作成方法は、いたってシンプルです。遺言者本人が、遺言書の全文、日付および氏名を自書し、捺印して作成します。
全文には財産目録などすべてを含みますが、今回の民法改正によって、平成31年1月13日から目録については自書でなくても良いことになりました。財産が多い場合などは書く事が負担であった財産目録は、パソコンなどで作成しても良いことになります。時流に合わせた改正になりました。
ここで言う自書とは文字通り遺言者みずからが自分の手で記述することをいい、口述であったり他人が手を添えることも原則認められていません。
日付については、明確に作成した当日の日付を自書します。西暦であっても元号であっても構いませんが、日付印であったり特定されない日付、例えば9月吉日等の場合は無効となります。判例からは、遺言者自身の70歳の誕生日に書いたとか、11月末日に書いたという記載があれば、それは自書した日を特定できるということになります。
遺言は撤回することも書き直しすることも自由にできます。しかし法的効果を有する遺言が複数見つかった場合は、内容が矛盾する部分については必ず後の遺言が有効になります。ですので、遺言が書かれた日付というものが極めて重要になるのです。
次の氏名については、これも当然自書しなければなりません。しかし氏名は戸籍上の氏名である必要はなく、遺言者が誰であるか疑いのない程度の表示がなされていれば良いこととされ、ペンネーム等の通称でも問題ありません。また氏や名のどちらか一方のみであっても、他人との混同が生じない場合には有効とされます。これらは民法に直接の記載はありませんが、判例から確認されます。厳密な規定と言いながら腑に落ちない部分ではありますが、余計な問題を起こさないように、必ず自分の本名を自書するようにしましょう。
次は押印についてです。印を押す場合には捺印という言葉も使われますが、雑学として、一般的には自分で書いた名前(自書)に印を押す場合は「捺印」、自書以外に印を押す場合は「押印」と言うようです。「押捺」という場合には拇印も含むようです。ここでは名前に印を押す場合ばかりではないので、「押印」という言葉を使います。
押印する印については実印を押すという規定はないため、いわゆる認印や拇印でも良いとされています。しかしトラブルを防ぐ意味からも、実印や銀行印で押印することをお勧めします。
押印する場所も特に決まっていないので、どこに押しても構いませんが、やはり自書した上か横に押すのがセオリーでしょう。どちらにしても遺書本紙に押印することが必要で、封印した封筒のみへの押印は無効になります。
ここでもう一つ問題になることは、遺言が複数に渡った場合の押印は、各紙面に必要かどうかということです。通常契約書などの場合は、例えば1枚目と2枚目のあいだに後から作成された用紙が差し込まれないように、1枚目と2枚目のつなぎ目に「契印」というものを押します。「契印」は1枚目と同じ印を使用します。ここもトラブルがないように、契印を押しておきましょう。
次に訂正があった場合の方法について説明します。「加除訂正」と言いますが、遺言書の加除訂正の要件は、
①遺言者自身によりなされること
②変更の場所を指示して訂正した旨を付記すること
③付記部分に署名すること
④変更箇所に押印すること
です。
余白に文言を後から付け加えた場合もこの方法に則ります。この加除訂正の方式に間違いがあった場合は、その加除訂正自体が無効となりますが、遺言書全体は当然無効にはなりません。加除訂正される前の元の内容が判別できれば元の内容が生きることとなり、判別不能な場合はその部分が一切記載されていないものとして扱われます。
加除訂正は非常に面倒な手続きですし、誤りも発生しやすいものですので、変更等がある場合は新たに書き直された方が良いと考えます。またその際はトラブル防止のために、必ず前の遺言書は破棄しましょう。なお自筆証書遺言は日本語に限られず、外国語で作成することもできます。
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今日は抵当権について書いていきます。
抵当権は相続の場合に現れることも多いものです。内容によっては相続放棄ということもあるかも知れません。一応の知識は身につけておきましょう。
抵当権の定義としては、「抵当権者が、債務者または第三者(物上保証人)が占有を移転しない で債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利」です。抵当権の特徴としては、
①抵当不動産の占有を債務者から移転しないで、債務者に占有させたままにすること
②抵当不動産の交換価値を把握する権利
であることにあります。債務者の住んでいる自宅や営業している店舗、工場などの占有を移転せずに担保の目的物として設定し、営業を継続しながらそこから生み出された利益を返済に充てるという効果的な制度になります。
抵当権は、債権者と抵当権設定者の合意のみで成立します(諾成契約といいます)。必ずしも債務者が抵当権設定者になるとは限らず、債務者以外の者が設定者になる場合もあります。この者を物上保証人といいます。
また抵当権の設定は債権発生の先でも後でも構いません。金銭貸借の場合に事前に手続きを行っても問題ありませんし、将来発生するであろう債権のために設定することも可能です。
抵当権は何にでも設定できるものではなく、不動産や地上権、永小作権といった、公示が可能なもの(登記)に限られます。抵当権は対抗要件(登記)を備えた場合は、第三者に対抗できます。
債務者は同じ目的物について、ひとつだけでなく複数の抵当権を設定することができます。この場合は抵当権に順位が付けられますが、その順位は登記の先後によります。第1順位の抵当権は1番抵当権、次位は2番抵当権といいます。
では抵当権の効力などについて見ていきましょう。抵当権を発生させる非担保債権は、金銭債権でもその他の債権でも構いません。既に発生している債権でも、将来発生する債権のも設定することができます。
元本の債権は全額担保されますが、当然そこで発生した利息も抵当権から得ることができます。しかし利息についてはすべてを充てられるわけではなく、後順位の者や順位の付いていない一般債権者がいる場合は、直近2年分しか認められません。
抵当権は主として不動産を目的物としますが、その不動産は単独という場合だけではなく、建物や家具類、あるいは庭木といったものまで付いている場合が多くあります。この場合には、抵当権が及ぶものと及ばないものが規定されています。抵当権の及ぶものとしては、次のものが挙げられます。
①付加物(付加一体物)
②従物
③従たる権利
④果実
⑤分離物
です。付加物とは庭に植えられている木や、増築された部屋といった、土地や建物に固定されて一体になっているもののことです。
従物とは必ずしも分離ができないものではありませんが、その目的物に従って用をなしているもののことです。例としてはガソリンスタンドのタンクが挙げられます。
次の従たる権利とは、建物を目的物とした場合の敷地利用権などがこれに当たります。
果実とは、その目的物が生み出すもののことであり、駐車場の賃貸料等がこれに当たります。弁済の不履行があった場合は、果実にも抵当権が及ぶこととなります。
分離物とは抵当権の目的物と切り離せることのできる動産になりますが、この動産が抵当権の目的物となっている場合には、もしその動産が不動産等から持ち出された場合には、返還を請求できることとなります。
最後にここで、当事者以外の第三者が抵当権の目的物を破損させた場合はどうなるのでしょうか。抵当権設定権者は債務者の場合と同様に、この第三者に対しても損害賠償請求や妨害排除請求を行うことができます。
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遺言書がない相続が発生した場合、相続関係を確定させるために関係するすべての戸籍謄本を取得しなければなりません。
被相続人に存命の配偶者とお子さんがいらっしゃれば、1/2の遺産は配偶者の方に権利がありますが、残りの1/2はお子さんで等分します。お子さんといっても現在の配偶者の方のお子様だけではなく、離婚歴がある場合はその方との間にできたお子さん、また非嫡出子でも認知しているお子さんがあればその方、また離縁されていない養子の方も同権利になります。
相続が発生した時点ですでに亡くなられているお子さんがいらっしゃれば、そのまたお子さん(孫)が代襲相続しますので、その方々の戸籍や住民票が必要になります。戸籍を取得する際に併せて「戸籍の附票」というものも取得し、その方が引っ越された履歴を追い、現在ご存命で相続の権利があることを証明していきます。
さて、相続人が被相続人のご兄弟のみの場合は、難易度が一段上がっていきます。前述の場合同様、ご兄弟に知れていない兄弟が存命か確認していく作業が必要になります。これは被相続人のご両親の出生時に遡った(銀行等によっては出産一定年齢等の場合があります)戸籍謄本を取得し、知れていないご兄弟が存命か確認しなければなりません。
その方を含めたご兄弟が亡くなられていた場合は、同様に代襲相続が発生します。ただしお子さんの相続の場合は、代襲者の死亡による再代襲制度がありますが、兄弟姉妹の場合は再代襲は認められていませんので、それ以下の方は調べる必要はありません。
戸籍取得は場合によっては数10枚に及び、またご兄弟の場合は戸籍を取得し追跡していく権限はありませんので、行政書士にご依頼をいただければと存じます。
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遺産分割協議に請われて立ち会うことがあります。当然交渉に関与したり、協議自体に関わることはありませんが、相続人や財産関係等で差し支えない部分については、調査した内容などにお答えすることになります。公正証書遺言があればその内容にしたがって相続を行っていけばよいですし、遺留分が発生する場合は、問われれば遺留分減殺請求権(7月1日からは遺留分侵害額請求権)についてご説明することになります。
相続人が配偶者とその子たちであって、特段不仲でなければ代表相続人の方(通常は配偶者の方か高齢であれば長男等)がリードして、あうんでそれぞれの相続分を決めていかれることになると思います。通常は相続人がたとえ少人数であっても単独相続でない限りは、不動産登記や銀行の払い戻しに、「遺産分割協議書」「財産目録」「相続人関係説明図」を求められます。
まず相続財産をキチンと整理して財産目録を作成します。ここではプラスの資産だけでなく、負債などのマイナスの資産も明確に調査する必要があります。借金をしていた可能性があるのに単純に相続をしてしまいますと、負債の方が大きいマイナスの相続になってしまいます。
マイナスの相続の場合は、3ヶ月以内に相続放棄の手続きをとれば、負債を含めた一切の遺産相続を放棄することができます。3ヶ月というのはここで重要な期間になってきます。もし安易に一部の財産を処分してしまったり、3ヶ月を過ぎてしまいますと、「単純承認」をしたことになり、もう相続放棄をすることができなくなり、負債の一切も相続人全員で返済する義務が生じてしまいます。遺産相続を受けるかどうかの判断材料とすることが、「財産目録」を作成することの目的のひとつになります。また相続人全員で合理的に遺産分割するための判断材料になる書類でもあります。
次の「相続関係説明図」とは、法定相続人全員の相続関係を証明した一覧になります。遺言書がなければこれを基に各自の相続分を調整していきますし、遺言書があれば遺留分算定の基礎となります。相続税には基礎控除というものがありますが、ここで法定相続人の人数を確定しませんと、控除額を確定することもできません。
また調べなくても明らかに法定相続人が確定できる場合は大きな問題はないですが、被相続人が離婚をしていた場合や人間関係が複雑な場合には、戸籍を厳格にたどって相続人を確定しておきませんと、後からあたふたする事態となります。
普段わかっている相続人以外に相続人がいる場合(離婚した妻との間にできた子や認知した子など)は、相続人の特定をしっかりしておかないとトラブルの原因になります。いいわいいわで現在生活している親子だけで相続をしてしまうと、後からそれらの相続人が現れた場合には相続のやり直しになってしまいますので注意が必要です。もっとも登記や払い戻しの際もすべての戸籍謄本も求められますので、相続人の確定は必須になります。「遺産分割協議書」と併せ、過去ブログやホームページで確認下さい。あとは後編に記載します。
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今日朝の天気予報でGW後半の天気について話していました。1週間前には後半は荒れる見込みだと行っていたので、一安心ですね。土日休みの方は羽を伸ばして、サービス業や小売業の方は書き入れ時。世間全般、天気の効果は大きいですね。
ここのところ天気予報がよく当たるなと感じていますが、1週間程度先の予報では、雨予報が晴れに変わるケースが多いかなとも感じています。天気予報の精度の問題ではなく天候が落ち着いている年ということなんでしょうが、ここ3ヶ月では群馬の雨量も平年を若干下回っていますね。夏も暑いようですし、また館林の話題も多くなるでしょう。
GW後半は実家の静岡に帰ります。昔は子供4人とワイワイ帰っていましたが、世代も引き継がれてしまいましたね。日曜日にお土産のハラダのラスクを買い込んできます。
今日は2月に法制審議会より法務大臣に答申された、相続分野に関する民法改正について書いてみます。
民法については昨年120年ぶりに契約や債権関係の改正法が国会で成立し、2020年4月1日に施行されます。相続分野についてはこれまでも社会情勢の変化に即して改正が行われ、配偶者や非嫡出子の法定相続分の割合等が改められてきましたが、今回改正案のポイントは次のとおりです。
①配偶者の居住権を保護するための方策
②遺産分割に関する見直し等
③遺言制度に関する見直し
④遺留分制度に関する見直し
⑤相続の効力等(権利及び義務の承継等)に関する見直し
⑥相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
まず配偶者(以下妻とします)の居住権を保護するための方策についてみてみます。
現行法では被相続人の死亡後に被相続人名義の自宅に妻のみが居住していた場合でも、子がいた場合には妻の法定相続分は2分の1であり、仮に現金預金等の相続分が少なかった場合には、2分の1を超えた分の自宅の評価額分を子に渡さなくてはならないケースが出てきます。
妻と子の折り合いが悪かったりして子から請求された場合には、現実に妻が自宅を処分して相当分を子に渡すというケースもあるようです。
例として妻と子がひとりいるケースです。自宅の評価額が2000万円で預貯金が1000万円、相続額の合計が3000万円とします。この場合は妻も子も法定相続分は1500万円となります。預貯金を子がすべて相続しても500万円足りませんので、この場合は残りの500万円を子が妻に主張することができます。妻としてはやむをえず自宅を処分して、その分を子に渡すこととなります。これでは被相続人の死亡により妻が困窮する事態に陥ってしまいます。
今回の改正案では超高齢社会を見据えて、高齢の妻の生活や住居を確保するための内容が盛り込まれています。
まず要項に明記されたのが「配偶者居住権」です。文字通り妻が自宅に住み続けることのできる権利であり、所有権とは異なって売買や譲渡はできません。居住権の評価額は住む期間によって決まり、居住期間は一定期間または亡くなるまでのいずれかの期間で、子との協議で決めます。
前述のケースで妻の居住権の評価額が1000万円だったとしますと、妻は法定相続分1500万円のうち1000万円分の居住権と残り500万円分の預貯金を相続することとなります。子は自宅の評価額2000万円から居住権を引いた1000万円分の所有権と、預貯金500万円を相続することとなります。妻が住んでいるあいだの必要経費は妻が負担しますが、固定資産等の税制についてはまだ決まっていません。
次の遺産分割に関する見直し等についてですが、現行法では妻が自宅等を生前贈与されていたとしても、自宅も遺産分割の対象となってしまいます。ですので前述のケース同様となります。
要綱では結婚から20年以上の夫婦に限り、自宅が遺産分割の対象から除外されることになります。前述のケースでは遺産分割の対象となるのは預貯金1000万円のみとなり、妻と子にそれぞれ2分の1づつが相続されます。これも長年連れ添った妻への配慮であり、高齢で再婚した場合等と区別するものです。期間は延期間であって離婚を挟んでも問題はありませんが、事実婚や同性婚は対象となりません。
3つめは遺言制度に関する見直しです。昨今は自筆証書遺言への関心も高まってきているようですが、現行民法ではすべての文言が自署である必要があります。改正案では自筆証書遺言に関しすべてが自署である必要はなく、財産目録等はパソコン作成のものを添付することでも可能となります。ただし各ページへの署名押印は必要となります。
また自筆証書遺言の保管制度が新たに創設され、遺言者は自筆証書遺言を各地の法務局に保管するよう申請することができ、死亡後は相続人等が保管先法務局に対して遺言書の閲覧請求等をすることができます。その際法務局は、他の相続人等に対しては通知をだすこととなります。
法務局が保管していた自筆証書遺言は検認を要しません。ただ公正証書遺言と異なり、法務局保管の自筆証書遺言が必ずしも最終最新のものではないおそれは残りますので、探索や確認は必要となります。
4つめは遺留分制度に関する見直しです。遺留分減殺請求権の効力については、受遺者等に対して遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができるようになり、権利行使により遺留分侵害額に相当する金銭債権が発生するという考え方が採用されます。
また遺留分減殺請求の対象となる遺贈・贈与が複数存在する場合については現行法の規定に加えて、減殺の割合についてはこれまで解釈によっていたものが、今回案では明文化されています。遺留分の算定方法については現行法の相続開始の1年前にした贈与に加え、相続人贈与は相続開始前の10年間にされたものが算入対象となります。
5つめは相続の効力等(権利及び義務の承継等)に関する見直しについてです。これは遺言などで法定相続分を超えて相続した不動産等は、登記をしなければ第三者に権利を主張できないというものです。
最後に相続人以外の者の貢献を考慮するための方策についてです。現行法では寄与分については相続人にのみ認められていましたが、改正案では相続人以外の被相続人の親族が被相続人の介護をしていた場合、一定の要件を満たせば相続人に金銭請求できる こととなります。
被相続人の親族とは、6親等以内の血族および3親等以内の血族の配偶者が対象となります。
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今日は遺贈と死因贈与について書いていきます。
相続は相続人にしかすることができません。そもそも相続とは、被相続人が亡くなった場合に、法律で決まっている者に財産を承継させる制度です。相続人は配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹のみと民法で決まっており、これらが決められた順位で相続できるのみです。
もしこれらの者が一人もいない場合は、相続財産を管理する者として家庭裁判所から弁護士等が選任されることとなります。そこで本当に相続人がいないかの調査がなされ、それでも見つからない場合には家庭裁判所に認められた場合に限り、被相続人の世話を相当程度した者が一部の財産を譲受けることができます。それらが完了すると、最終的には財産はすべて国庫に帰属することとなります。
さて、相続人がいるいないにかかわらず、あなたがとても世話になった方がいるとします。その方の恩に報いるにはどうしたらよいでしょうか。ここからの話は相続人についてもすることができますが、相続人の場合は「寄与分」ということで、相続人間の協議において相続分の上乗せをすることができますので、ここでは除いて話を進めます。
あなたがもし遺言書を残さないで亡くなった場合には、相続人全員で相続財産の分配についての協議を行うことになります。この場合は参加できる相続人は当然法律によって定められた者のみ(あとで述べる包括受贈者を除いて)となりますので、たとえあなたがとてもお世話になり、心情的に財産を分け与えたい方でもそこには加わることはできません。
たとえば同居しているお子さんのお嫁さんなどがこれに当たります。ですのでもし相続以外で財産をあげたい場合は、あなたのその意思を明確に残す必要があります。当然法的効果のあるものでないと、他の相続人から否定された場合には、その者も権利を主張することができなくなってしまいます。ここで効果を発揮するものが一般的には遺言書ということになります。
遺言書によって相続人以外の者(相続人にもすることができますが)に財産を与える場合には、「遺贈」という形をとります。これはあなたがその方に対してする、一方的な単独行為になります。自分が死んだらその者に財産をあげるという内容になります。一方的な行為ですので、遺贈する者に事前に伝える必要はありません。
遺贈とは別にもうひとつ、相続によらずに死亡を契機として財産を与える行為に、「死因贈与」があります。これは財産をあげる者とあらかじめ契約を交わしておき、自分が死んだらあげるというものです。契約といってもこれには特に方式はなく、契約書等も必要ありません。口約束だけでも効果を発揮します。しかし、証拠がない場合はトラブルのもとになる場合もあります。もし死因贈与をする場合には、文書等に記しておくことも考えたほうが良さそうです。
死因贈与は遺贈と異なり、あなたの亡くなる前から相手の方もその内容を承知していることになります。ここで別に遺言書が残されており、そこに書かれていた内容がその死因贈与契約と異なっていた場合はどうなるのでしょうか。
この場合は遺言書の効果と同様に、後からされたものが有効となります。遺言書の書かれた日付が後であれば、遺言書によって前の死因贈与契約が破棄されたこととなりますので、死因贈与契約は無効となります。逆も然りです。このように日付等の証拠の裏付けが必要になる場合もありますので、本当に必要な死因贈与の場合は、口頭ではなく文書で日付等を明記しましょう。この2つについて次回詳しくみていきます。
https://www.yuigon-souzoku-gunma.com/category2/entry65.html
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今日は代理における無権代理と表見代理について書いていきます。
代理人には本人から直接依頼を受けた者、あるいは法的に代理することを認められた者がなりますが、本人の意思に関わりのないところで行われる代理というものも存在します。これらは無権代理と表見代理というものになりますが、表見代理も広義には無権代理に含まれます。ではこれらを見ていきましょう。
まず「無権代理」とはどのようなものでしょうか。これは文字通り、代理権がないのにされる代理行為のことを言います。勝手に代理人を名乗って代理行為をした場合などがこれに当たりますが、この場合の効果は本人に帰属せずまた代理人に帰属することもありません。
代理行為の記事の中で自己契約や双方代理は禁止されると書きましたが、これらをした場合は無権代理となります。
https://estima21-gunma-gyosei.com/archives/856
無権代理をされた場合に本人が否定すれば当然本人は責めを負いませんが、一方本人はその行為を有効なものと確定することができる「追認権」も有しています。追認すればさかのぼってその法律行為は有効なものとなります。またこの場合に本人が一旦追認してしまうと、その追認は取り消すことができません。
無権代理をした場合に本人にも無権代理人にも法律効果が帰属しないとなると、無権代理をされた相手方はどうすれば良いのでしょうか。やられ損でしょうか。いえいえそんなことはありません。次の3つの権利を有することとなります。
①催告権
②取消権
③履行または損害賠償の請求権
です。まず「催告権」として、相手方の善悪を問わず(知っていても知らなくても)本人に対して、相当の期間内での追認の可否を求めることができます。期間内に追認がなければ、追認拒絶とみなされます。
「取消権」とはその行為について取り消すことのできる権利のことをいいます。この場合はその無権代理について善意の場合に限ります。また相手方が取消権を行使した場合は、本人はもはや追認をすることはできなくなります。
最後の「履行または損害賠償の請求権」ですが、これは相手方が善意無過失の場合にのみ有する権利となります。
一方無権代理を行った者の責任はどのようなものになるのでしょうか。まず本人が追認を拒絶した場合はその行為の無効が確定します。無権代理人は相手方の選択に従い、契約の履行または損害賠償責任を負うこととなります。
無権代理人は無過失責任であり、どのような場合も責任を免れません。無権代理人が制限行為能力者であった場合は、その内容によって責任を追及できないこととなります。
無権代理の場合は特に親子間での場合が多く見られますので、相続との関係を判例から見てみましょう。4つの事例を挙げてみます。
①無権代理人が本人を相続した場合
②本人が無権代理人を相続した場合
③無権代理人を単独相続した者が、その後本人を相続した場合
④無権代理人を本人とともに共同相続した者が、その後本人を相続した場合
です。まず①を見てみましょう。被相続人の子が被相続人の無権代理をした場合などがこれに当たりますが、この場合は単独相続では本人が自ら法律行為をしたのと同様の法律上の地位になりますし、追認拒絶もできません。共同相続の場合では、他の共同相続人全員が追認しない限りは無権代理行為は有効とはなりません。逆に共同相続人全員が追認をした場合には、信義則上追認拒絶はできないこととなります。
②では被相続人自身が、相続人である子の無権代理をした場合などがこれに当たります。単独相続の場合は追認を拒絶することができますし、無権行為は当然有効とはなりません。しかし追認を拒絶しても、相手方から損害賠償等を請求された場合には、相続によってこの責任を負うことになります。共同相続の場合もこの債務を免れることはできません。
③では本人自ら法律行為をしたことと同様に、無権代理行為の効果が自己に帰属することとなります。
④では無権代理行為の追認を拒絶することはできません。
次に「表見代理」について見てみましょう。表見代理とは、表見代理人と本人との特別な関係性を誤って信用している者を保護するための制度です。この責任は無権代理の場合と異なり、本人に帰属します。表見代理には次の3つのパターンがあります。
①代理権授与表示による表見代理
②権限外の行為の表見代理
③代理権消滅後の表見代理
です。それぞれ無権代理が成立する要件を
てみましょう。①ではまず本人が第三者に対して、ある人に代理権を与えた旨の表示をしていることと、無権代理人が表示された代理権の範囲内で代理行為を行っていること、また代理権がないことについて相手方が善意無過失であることが必要となります。
②では基本代理権があることと、権限外の代理行為をしたこと、また相手方が代理人に権限があると信ずべき正当な理由があること、相手方が善意無過失であることが必要です。
③ではかつて所有していた代理権が代理行為の時には消滅していたこと、かつての代理権の範囲内で代理行為を行っていること、代理権の消滅について相手方が善意無過失であることが必要になります。
これらの要件を満たした場合は表見代理が行われたことになりますが、その法律効果の責任は本人が負うこととなります。
表見代理の場合の相手方の対処の仕方としては、行為者に対して表見代理を主張せずに、無権代理人として責任を追及することができます。また本人が追認するまでの間、取消権を行使することができます。
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今日は債権譲渡について書いていきます。
「債権」とは、特定の者が別の特定の者に、一定の給付を請求できる権利を言います。先に説明した物権と併せてこの2つを「財産権」と言います。
請求できる権利を持つ者を債権者といい、請求される側を債務者と言います。今回は債権の性質のうちのひとつ、譲渡について見ていきましょう。
債権というものは原則として、自由に譲り渡すことができる性質があります。これを債権の自由譲渡性と言いますが、目的としては次のことが挙げられます。
①履行期日の来る前の債権を換金するため
②融資などを受けるときの担保とするため
③債務の弁済の手段とするため
です。
また譲渡する際は、元の債権と同じ内容のまま移転されていきます。現行法では条文化はされていませんが、債権は過去に発生した権利に基づくものだけではなく、将来発生するであろう債権の譲渡もすることができます。例えば債務者に定期的に発生する、半年分の家賃収入債権を譲渡するなどということも可能になります。
このように譲渡可能な債権ですが、例外的に譲渡が制限される場合があります。それは次のような債権についてです。
①債権の性質上譲渡を許さない債権
②当事者同士が譲渡禁止の特約をした債権
③法律上譲渡が禁止された債権
です。
①の譲渡を許さない性質とは、例えば特定の人の肖像画を描いたり写真を撮ったりする権利です。これはその特定の人が、その債務者本人のみに許した権利の性質を持ちますので、債権者は他の者への譲渡はすることができません。
②の禁止の特約についてですが、この特約に違反して第三者に譲渡した場合は、制限とおりにその債権譲渡は無効になります。しかし第三者が「善意無"重"過失」だった場合には、債務者はその第三者には対抗することはできません。
なお債務者が債権者に、あらかじめ"特定の者"に譲渡することを同意していた場合には、譲渡後に債務者の承諾を得なくても、債権者は債務者に債権譲渡を対抗することができます。
ところで、今書いてきた債権譲渡の内容は、現行の民法に基づくものです。しかし民法は2020年4月1日より改正法が施行され、この債権譲渡の部分も見直されることとなりました。以下改正部分について触れておきます。債権譲渡の主な改正点は次のとおりです。
①譲渡制限特約が付されていても、債権譲渡の効力は妨げられません(預貯金債権以外)
②債務者は譲渡人(元の債権者)への弁済をもって譲受人に対抗できます
③債務者が譲受人から履行の催告を受け、相当の期間内に履行をしないときは、債務者は譲受人に対して履行をしなければなりません
④将来債権の譲渡について明文化されました
⑤債務者があらかじめ譲渡に同意していた債権への抗弁権の条項は廃止されました
ということです。
①の譲渡制限特約債権の譲渡についてですが、現行法では善意の第三者に対しては有効ではありましたが、改正法では譲渡制限特約が付されていても、預貯金債権以外の債権譲渡についてはその効力は妨げられないこととなりました。つまり特約があっても、悪意・重過失の者に対する譲渡も有効であるということです。
これでは、弁済の相手方を固定化し無用なトラブルから債務者を守る、という現行法の意義を失ってしまいますが、それを②で補っています。どういうことかと言うと、譲渡制限付きの債権が他の第三者に譲渡されてしまっても、債務者はその第三者への弁済を拒絶し、元の債権者への弁済をすれば足りるということになるからです。
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今日は普通養子縁組の解消について書いていきます。
縁組も婚姻同様、他人同士の意思の合致による行為になりますので、お互いの意思が合致しなくなった場合も、婚姻同様にその関係が解消されることとなります。
婚姻の場合の離婚に当たるものが、「離縁」になります。「離縁」には
①協議離縁
②裁判離縁
があります。
「協議離縁」とは、当事者同士の協議によってするものを言います。離縁の成立要件は縁組の時と同様に、形式的要件と実質的要件になります。形式的要件はこれも届出になります。実質的要件は当事者間の、養親子関係を終了させる意思の合致になります。
未成年や成年被後見人の場合は通常単独で協議を行うことはできませんが、未成年であっても15才以上の者は単独で離縁をすることができ、成年被後見人の場合も本心に復している場合は単独ですることができます。
配偶者のある者が未成年者と縁組をするには、夫婦揃っての縁組が必要でしたが、離縁についても夫婦がともにしなければなりません。
縁組の当事者の一方が死亡した場合はどうでしょうか。この場合の一方の生存者は、家庭裁判所の許可を得て離縁することができます。これを「死後離縁」と言います。養親子関係自体は当事者の一方または双方が死亡すれば消滅しますが、法定関係は存続しますので、相続も発生します。
また配偶者死亡の時同様、縁組によって生じた法定血族関係は当然には消滅しませんので、これらの関係を消滅させるには、家庭裁判所の許可が必要になります。
離縁の無効や取り消しの場合も、婚姻の場合と同じです。離縁意思の合致を欠いたり、代諾権のない者が代諾した場合は無効になります。
また詐欺や強迫によって行われた離縁は取り消しをすることができます。この場合は詐欺を発見し、または脅迫から免れた時から6ヶ月以内に、家庭裁判所に請求をします。取り消しの効果は離縁の時点に遡及することとなり、離縁はなかったものとなります。
「裁判離縁」は、協議離縁が成立しなかった場合に、家庭裁判所への請求によってなされます。裁判離縁の成立する要件としては、
①他の一方から悪意で遺棄されたとき
②他の一方の生死が3年以上明らかでないとき
③縁組を継続し難い重大な事由があるとき
になります。
離縁の効果によって、養親子関係および法定親族関係が、離縁の日から消滅することになります。
また養子は離縁前の氏に戻ることになり、原則として離縁前の戸籍に入ることになります。離婚の場合の氏については婚氏続称という制度がありますが、離縁にもあります。
離縁の場合に離縁前の氏を継続する時は離婚よりも要件は厳しいものとなり、縁組が7年以上継続されている必要があり、離縁の日から3ヶ月以内に届出を行う必要があります。
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今日は物件の所有権について書いていきます。
相続にも通じる内容になりますが、所有権とは法令の範囲内で、自分の所有物を自由に使用したり処分したりする権利のことを言います。
所有権にはそれを得た経緯によって、承継取得と原始取得という2つの種類があります。
「承継取得」とは、先にその物権を所有する者がいて、その者から権利を引き継ぐことを言います。これには売買等によって権利を引き継ぐ「特定承継」と、相続等によって権利義務を一括して引き継ぐ「包括承継」があります。相続の分野では包括承継という言葉がよく出てきますね。
一方の「原始取得」とは、前の権利者の内容を前提としないで所有権を取得する場合をいい、これには無主物占有と遺失物拾得、埋蔵物発見、添付によるものがあります。
「無主物占有」とは、権利者のいない動産を占有することによって所有権を得ることであり、同様に遺失物拾得も埋蔵物発見も、所有者のいない動産の所有権を獲得することを言います。これらの場合に自分の物になる条件としては、必ず所有の意志をもって占有することが必要になります。
このように、所有者のいない動産の場合は別の者が権利者になることができますが、所有者のいない不動産の場合は原始取得をすることはできません。この場合は国庫に帰属することになります。
「添付」というものについて説明すると、添付には付合(ふごう)、混和、加工の3つの形態があります。
「付合」という言葉は聞きなれない言葉なので簡単に説明します。付合とは主体をなすある物に、従う形でついていることを言います。この付合には不動産の場合と動産の場合があります。
不動産の場合の付合ですと、その不動産に従として付合した物の所有権も取得するという性質のものであります。例えば家の前に植えてある桜の木などがこれに当たります。また付合は不動産だけでなく動産の場合も同様になります。
ただ動産の付合については若干ややこしい場合があります。動産の付合で主従関係がわかる場合は、付合している物の所有権は主たる動産の所有者の物になるのでこの点は良いのですが、主従の区別ができない場合がちょっと問題になります。この場合は、元の価格の割合で共有するということになっています。
「混和」とは物が混じり合っている状態を言いますが、この場合は付合と同様の処理になります。
「加工」とは他人の所有している動産に対して、加工を施して価値を上げた場合を言いますが、通常の場合には加工物はその動産の所有者に帰属することになります。ただしその動産(加工する材料)よりも加工による価値が著しく上回る場合には、その所有権は加工者のものになります。
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今日は遺産分割協議について書いていきます。
「遺産分割協議」とは、相続人全員で相続財産の配分や分割方法を決める協議をいいます。通常は遺言書がなかった場合に行われますが、遺言書があってもその相続分を変えるために行う場合もあります。
相続財産は分けることが容易である現金預貯金等だけでなく、通常は分けることが困難な家などの不動産である場合が多く見られます。そのような財産も相続税を納める等の都合もあり、定められた期限内にはその配分を決める必要が出てきます。
遺産分割協議は通常、相続人の代表者が中心となって進めていきます。代表者は多くの場合は一番たくさん財産を相続する者がなりますが、行政書士等の代理人の場合もあります。
協議の進め方は、概ね次のとおりになります。
①まず遺言書を探します。
②相続人を確定し、「相続人関係図」を作成します。
③相続財産を確定し、「財産目録」を作成します。
④相続人全員に連絡を取ります。
⑤遺産分割協議案を作成します。
⑥遺産分割協議開催の段取りをつけます。
⑦遺産分割協議書の案をもとに相続人全員参加の遺産分割協議を行います。
⑧相続人全員の合意により相続分を決めます。
⑨遺産分割協議が成立したら「遺産分割協議書」を作成します。
⑩遺産分割協議書をもとに、金融機関の手続きや不動産の相続登記等を行います。
以上の段取となりますが、遺言書があれば基本はそれに従って相続を行うこととなります。協議を行ったあとで遺言書が発見された場合は、相続人の主張によっては相続のやり直しとなる場合もありますので、まずは遺言書を探します。
探すのは可能性の高いところから当たりますが、親しい知り合いに士業の方などがいた場合は、そちらに相談がなかったかの確認をとります。それから公証役場に行き、公正証書遺言の存在を確認します。そこでもない場合は銀行の貸金庫や自宅を探します。
遺言書があった場合は、基本的にはそれに従いますが、自筆遺言の場合は家庭裁判所に検認の手続きをとり、その後は遺言書の真偽や合法性を確認します。最初に相続人全員での協議が整えば、遺言書があってもその合意が優先すると書きましたが、遺言執行人がいる場合はその者の執行義務との兼ね合いもありますので、必ず遺言執行人と事前に打ち合わせを行ないます。また被相続人の意思を尊重するという意味からも、出来る限りは遺言書に沿う形の執行が望まれます。
次は相続人および相続財産を確定します。相続人については通常はわかっている範囲での協議になりますが、前妻の子や認知している非嫡出子も相続人となりますので、戸籍をたどって相続人関係図を作成します。相続手続きで必要となる場合がありますので、一般的には作成することをおすすめします。
財産については心当たりのある金融機関に問い合わせを行い、また不動産等の登記簿を確認します。こちらも財産目録を作成します。そしてこれらをもとに遺産分割の案を作成します。基本的には法定相続分をもとに、相続人の寄与分や不動産の実態(配偶者が自宅に居住している等)を鑑み配分を行います。
それからその案をもとに協議を行うことになりますので、まずは相続人全員に連絡をとり、遺産分割協議を開催します。ここで注意することは、遺産分割協議は相続人全員の参加が必要となることです。海外等に居住し参加できない者も原則は参加するものとなりますので、もし参加できない場合には事前に、他の意見に従う等の同意書を取得する必要があります。
やっかいなのは行方不明者がいた場合の措置であり、この場合は家庭裁判所に「失踪申告の申し立て」等を行うこととなります。また成年被後見人等の制限行為能力者がいる場合は後見人等の代理が必要となり、未成年がいる場合は「特別代理人」による代理が必要となります。
未成年は基本的に法律行為は行えませんので、その場合は代理人が必要になります。通常の代理人はその親がなることが一般的ですが、相続の場合はその親と子で同じ相続人という利益相反の立場となるため、代理人となることができません。そのため家庭裁判所に特別代理人選任の申し立てを行うこととなります。
それらの者が整いましたら遺産分割協議を行い、原案をもとに協議を整います。協議が成立した場合は、その内容で遺産分割協議書を作成することとなります。金融機関等の相続において必要となるため、協議書はたとえ親子2人での協議の場合であっても作成します。協議が成立しなかった場合は家庭裁判所への調停の申し立てを行い、それでも整わなければ裁判ということになります。
https://www.yuigon-souzoku-gunma.com/category13/entry62.html
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