日別アーカイブ: 水曜日 - 16 5月 2018

まちづくり三法 都市計画法について

今日はまちづくり三法について書いてみます。

1980年代後半頃から大型店の郊外化が目立つようになり、中心市街地が寂れていきました。商店街に空家も目立つようになり、いわゆるシャッター街なる言葉が使われだしたのもこの頃です。

ちょうど私も社会人になった頃ですが、プラザ合意から円高不況になり、それもバブルによってあっという間に回復し、さらに行き過ぎてしまった時代。ちょうどその頃は洋酒の営業をしていましたので、横浜や関内、渋谷、銀座でコニャックを飲み歩いていました。飲んで売ってなんぼの時代ですから、いつも横浜からタクシーで川口の自宅までタクシーチケットで。と、この時代の話は尽きないのでやめておきます。

モータリゼーションにも拍車がかかり、みんなが車を持つ時代になりました。また横道にそれますが、その頃の若い人は、車が第一の時代でした。特にホンダの車は一世を風靡しましたね。プレリュード、インテグラ、CR-X、かっこよかった。

みんなが車に乗って出かけるものですから、一気に買い物の郊外化が進み、街の中心街の衰退が目立つようになっていきました。スプロール現象というものですね。

そのような事態に歯止めをかけるべく制定されたり改正されたりした、主な3つの法律が、「まちづくり三法」といわれるものです。

まちづくり三法」とは、「大規模小売店舗立地法」「中心市街地活性化法」「都市計画法」をいいます。では農地転用の話からですので、まず「都市計画法」について見てみましょう。

「都市計画法」とは、人口減少や超高齢社会にふさわしいまちづくりを実現するために制定された、都市づくりの基本法ともいうべき法律です。もともと1968年に制定された法律ですが、その内容は、商業の新しい業態が様々に発展していく中においては効果を発揮するものではなく、規制されているはずのほとんどの区域において、大規模小売施設が建設されていってしまいました。スーパーマーケットからディスカウントストア、カテゴリーキラーなどが出てきましたが、今ではスーパーセンターですね。それさえも過渡期を迎えてしまいましたが。

その影響もあって無秩序に都市機能が郊外に分散され、都市の中心部の衰退が目立つようになりました。そのような状況を変えることを目的として、都市機能の再生を図るべく生まれた法律が改正都市計画法になります。他の街づくりに関する法律と歩みを同じくして、2006年に大きな改正が図られました。

その目的は「都市の健全な発展と秩序ある整備、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進」とされています。都市計画法の内容は、「都市計画区域」に土地の整備開発の方針を定め、都市施設や市街地開発事業に関する計画決定を行う」ことにあります。言い換えると都市計画区域とは、「一連の地域として総合的に開発保全をする必要のある区域」ということになります。

これらの区域の決定は都道府県が行いますが、この都市計画区域は2つの区域に分類されています。それが「線引き都市計画区域」「非線引き都市計画区域」になります。線引き区域とは、その地区を用途ごとに区分けをして都市開発を行っていく地域のことであり、非線引き区域とはそれ以外の、都市計画の対象とされていない区域になります。

線引き区域とはさらに「市街化区域」と「市街化調整区域」の2つに分類されています。

「市街化区域」とは用途地域の指定が必須の区域であり、優先的に開発が行われるべき区域をいいます。農地転用の観点からみてみますと、ここにある農地については農地の維持よりも都市開発の方が優先されますので、農地の区分は行われません。転用の許可を要することはなく、届出のみでよいこととなります。

もうひとつの市街化調整区域」は市街化を抑制する地域のことであり、原則宅地化などの開発行為は禁止されます。都市計画の区域内ではありますが、原則用途地域は定めません

用途地域とは建築物の建築を用途や容積により指定する地域のことであり、工業地域や商業地域などを市町村が指定します。この用途地域の指定に絡んでは、2006年にあわせて建築基準法の改正もなされています。

ここでの改正は用途地域における立地制限の見直しについて、主に大規模集客施設の立地規制についての見直しが図られています。話を戻しますと、2006年に改正された都市計画法では無秩序に拡散していた都市機能再生を目的とし、機能をコンパクトに集約したまちづくりを進めることとしました。そこでは大規模小売施設の立地を一旦ほとんどの地域で禁止することとし、地域で議論を経た上で推進する制度とされました。

この件については大規模店舗立地法のところで触れていきます。